2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of tissue formation, regeneration, and tumor suppression by the Ras-ERK pathway antagonist DA-Raf
Project/Area Number |
15H04348
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
遠藤 剛 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (30194038)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Ras-ERK経路 / 肺胞形成 / 筋細胞分化 / 筋再生 / がん抑制 / 分子機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋細胞分化と筋再生の過程で発現上昇するDA-Rafが,筋細胞分化と筋再生に必須の役割を果たしていることを明らかにする.DA-RafをshRNAにより安定にノックダウンしたC2C12筋芽細胞株を複数樹立した.これらの細胞株ではいずれも筋特異的蛋白質の発現が抑制され,また筋細胞融合が起こらなかった.したがってDA-Rafは筋細胞分化に不可欠であることが明らかになった.またこれらの細胞株ではいずれも,caspase-3活性化の低下がみられ,筋細胞分化の過程でみられるアポトーシスが抑制されていた.アポトーシスは筋細胞分化における筋細胞融合の誘導を介して,筋形成や筋再生に働いているという報告があるが,アポトーシスは筋細胞融合の誘導には働いていないことを示す結果が得られた. DA-Rafの発現消失や不活性化が,活性化突然変異K-Rasによるがんにつながることを明らかにし,DA-Rafががん抑制蛋白質であることを実証する.K-Ras活性化突然変異をもつ肺腺がん細胞や大腸がん細胞では,DA-Rafの発現が消失していた.また肺がんには不活性化突然変異DA-Raf(R52W)が存在していた.したがってDA-Rafは活性化突然変異K-Rasによるがん化に対してがん抑制蛋白質として機能していると考えられる.またRas-ERK経路によって安定化するc-Mycの高発現によりA-Rafの発現が誘導され,DA-Rafの発現が抑制された.したがってA-Raf/DA-Rafの選択的スプライシングはc-Mycにより制御されていると考えられる. DA-Rafががん抑制蛋白質として作用するために,Ras-ERK経路のドミナントネガティブ拮抗因子として機能する分子機構を解明する.DA-Rafは常に開放構造をとり細胞膜に局在して,活性化Rasに結合しやすい状態でいた.またDA-RafはB-RafとC-Rafの二量体形成を抑制した.こうしてDA-RafはRafに対してドミナントネガティブ作用を示し,ERK経路を抑制することが明らかになった.
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] DA-Raf, a dominant-negative antagonist of the Ras-ERK pathway, is a putative tumor suppressor2018
Author(s)
Kanno, E., Kawasaki, O., Takahashi, K., Takano, K., Endo, T.
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Journal Title
Exp. Cell Res.
Volume: 362
Pages: 111-120
DOI
Peer Reviewed
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