2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis and modulation of protein immunogenicity using short Solubility Controlling Peptide tags (SCP tag)
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15H04359
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
黒田 裕 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10312240)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生物物理 / 組換えタンパク質 / バイオテクノロジー / 免疫原性 / タンパク質断片 / デング / 溶解性制御タグ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究代表者が開発したSCPタグ(ペプチド系溶解性制御タグ)を用いて、抗原タンパク質の凝集又は会合が、その免疫原性に与える影響とその分子機構を物理化学的な視点から系統的に解析することを目的とした。SCPタグは、対象タンパク質の末端に付加することで、溶媒条件を変えずにタンパク質の溶解性のみを制御するための3~5残基の短い配列である。 本研究は、溶解性制御タグの免疫原性への効果が普遍的であることを示すため、2種類のタンパク質を用いた。1つ目は、研究代表者もタンパク質の折り畳み研究で用いた牛膵臓トリプシン阻害タンパク質(以下、BPTI;分子量=6.5kDa)を用いた。2つ目のモデルには、アジアの広い地域で公衆衛生上の大きな問題となっているデング熱の病原体であるデングウイルス由来の糖エンベロープタンパク質第3ドメイン (以下、ED3; 分子量=12kDa)を用いた。ED3は、ウイルスと宿主細胞の膜融合に必須な部位と抗体認識部位の両者を有するため、ウイルス感染において極めて重要なタンパク質である。 平成28年度の研究では、SCPタグを両モデルタンパク質の末端に付加することで会合度が制御可能であることを示した。取り分け、タンパク質の会合度を動的光散乱(DLS)及び静的光散乱(SLS)を用いて測定し、会合度の温度、タンパク質濃度及びSCPタグ配列種の依存性を求めた。さらに、各条件下でのタンパク質の二次構造含を、円二色性偏光分光法(CD)を用いて測定した。以上によって、平成29年に実施する免疫応答実験条件下でのタンパク質の状態を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年7月までに免疫応答実験による抗原性の検証を行い、平成28年度中に会合状態及び物性の最適化、SCPタグの細胞毒性評価を行った上で、最適SCP配列を固定・再設計し最適化する予定であった。しかし、免疫応答実験による抗原性の検証を行うにあたり、当初の予想に反し、実験に使用するマウス飼育施設内の空調設備が故障したため実験に必要な温度管理ができず、検証を行うには不十分であることが判明したことから、当施設の移設を行う必要が生じたため、3か月ほど当初の計画より遅れいている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には、マウスを用いた免疫応答実験を本格的に開始し、SCPタグ付加による抗原性の変化とSCPタグによる会合状態の変化を詳細に比較する。特に、多種類のSCPタグを用いた実験を実施することで、免疫学における謎の一つである凝集性(又は平成27年度の実験で明らかにした会合状態)と抗原性の関係が明らかになると期待される。
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Research Products
(23 results)