Outline of Annual Research Achievements |
レチナールを発色団とするタンパク質は、総称してレチナールタンパク質(○○ロドプシン)と呼ばれる。生物の三大ドメインに万を越える分子が広く分布し、様々な光依存性機能を担っている。このような生物学的意義に加え、近年ロドプシンを利用し、細胞や個体の機能を光で操作する技術が確立してきた。
本研究では、(1)レチナールタンパク質を様々な手法により根源的に理解し(知る)、(2)その知見に基づいた分子機能の改変・創成を行い(変える)、(3)さらには様々な生命科学研究に利用できる光操作ツールを開発する(役立てる)ことを目的としている。本年度は、以下の成果を得た:(1)知る:真正細菌より、新しいプロトンポンプロドプシンを単離・同定し、PvRと命名した [1]。好熱性ロドプシンの結晶構造を明らかにし、熱安定化機構を解明した [2]。(2)変える:イオンチャネル型ロドプシンの末端モジュールの切除により、恒常的活性型への変換に成功した [3]。(3)役立てる:波長変換分子を創成し、神経興奮の青色光制御を可能とした [3]。センサリーロドプシンを用いたイオン液体型光検出系を確立した [5,6]。
[1] *Sudo & *Yoshizawa (2016) Photochem. Photobiol. in press. [2] Tsukamoto,,,,, & *Sudo (2016) J. Biol. Chem. in press. [3] Doi,,,,, & *Sudo (2015) Photochem. Photobiol. Sci., 14, 1628. [4] Kato,,,,, Sudo, *Hayashi, *Nureki (2015) Nat. Commun. 6, 7177. [5] *Dalgleish,,,,, Sudo, & *Awaga (2015) Langmuir 31, 5235. [6] *Dalgleish,,,,, Sudo, & *Awaga (2015) Chem. Commun. 51, 16401.
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