2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H04363
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
須藤 雄気 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (10452202)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生物物理 / ロドプシン / レチナール / 光遺伝学 / 生体分子 / 分子機械 |
Outline of Annual Research Achievements |
レチナールを発色団とするタンパク質は、総称してレチナールタンパク質(ロドプシン)と呼ばれる。生物の三大ドメインに万を越える種類が幅広く分布し、様々な光依存的機能を担っている。このような生物学的意義に加え、近年ではこれら多様なロドプシンを利用し、細胞や個体の機能を光で操作する技術(光遺伝学)が確立してきた。
本研究では、(1)レチナールタンパク質を様々な手法により根源的に理解し(知る)、(2)その知見に基づいた分子機能の改変・創成を行い(変える)、(3)さらには様々な生命科学研究に利用可能な光操作ツールを開発する(役立てる)ことを目的としている。
本年度は、それぞれの課題について、責任著者として以下の成果を得た:(1)知る:シアノバクテリアより、硫酸イオンを基質とする全く新しいタイプの光受容体を発見し、SyHRと命名した [JACS, 2017], また、好熱性真正細菌よりこれまでで最も安定なロドプシン(プロトンポンプ)を発見し、RxRと命名した [Sci. Rep., 2017b]。アニオンポンプの動作原理を分光学的に明らかにした [J. Phys. Chem. B, 2017]。(2)変える:アニオンチャネル型ロドプシンに点変異を導入することで、野生型に比べ活性を10倍に増強することに成功した [Sci. Rep., 2017a]。(3)役立てる:高熱細菌由来のロドプシンが、これまでで最も高いプロトンポンプ型神経抑制活性を示すことを動物個体で明らかにした [J. Biol. Chem., 2016]。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既に、本研究で取り組む3つの課題(知る、変える、役立てる)に関する結果を、JACS誌2報、Nat. Commun.誌1報、Sci. Rep.誌2報を含む14報の原著論文として報告しており、さらに複数の論文を投稿・執筆中である。このように、当初の計画以上かつ順調に研究が進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後とも、本研究の3つの柱(知る、変える、役立てる)についての包括的な研究を進め、レチナールタンパク質(ロドプシン)に関する基礎的・基盤的成果を得るとともに、光操作ツールの開発という応用面でも成果を得るべく邁進する。投稿中・投稿準備中の成果についても、順次成果として発表できるようにする。
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[Journal Article] Demonstration of a light-driven SO42- transporter and its spectroscopic characteristics2017
Author(s)
Niho A, Yoshizawa S, Tsukamoto T, Kurihara M, Tahara S, Nakajima Y, Mizuno M, Kuramochi H, Tahara T, Mizutani Y, *Sudo Y.
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Journal Title
J. Am. Chem. Soc.
Volume: 139
Pages: 4376-4389
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] X-ray Crystallographic Structure of Thermophilic Rhodopsin: IMPLICATIONS FOR HIGH THERMAL STABILITY AND OPTOGENETIC FUNCTION2016
Author(s)
Tsukamoto T, Mizutani K, Hasegawa T, Takahashi M, Honda N, Hashimoto N, Shimono K, Yamashita K, Yamamoto M, Miyauchi S, Takagi S, Hayashi S, *Murata T, *Sudo Y.
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: 291
Pages: 12223-12232
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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