2016 Fiscal Year Annual Research Report
Maintenance of chromosomal stability by efficient chromosome alignment
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15H04368
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 耕三 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (00304452)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 癌 / 細胞・組織 / 染色体 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞分裂期の初期に染色体が紡錘体の赤道面に整列することは、その後染色体が娘細胞に均等に分配されるために必須である。本研究では染色体が安定に維持されるしくみについての我々のこれまでの研究をふまえ(H24~H26基盤研究(B), EMBO J, 2011)、染色体の効率的な整列の機構とその染色体安定性維持への寄与について明らかにすることを目的とする。染色体整列の課程では、染色体上の動原体が紡錘体を形成する微小管の側面に結合する状態(側面結合)を経て末端に結合する状態(末端結合)に移行することが必要である。平成28年度には以下のような成果が得られた。 1.側面結合の分子機構の解明 平成27年度にモーター分子であるダイニンが側面結合に関与することを見出した。これをふまえて分裂期初期の染色体動態を観察したところ、中心体方向への速い移動がダイニン依存性であることが明らかになった。興味深いことにダイニンがない状態でも微小管の短縮に依存して染色体のゆっくりした中心体方向への移動が見られた。さらに電子顕微鏡を用いて側面結合時の動原体と微小管の観察を行った。 2.染色体整列の機構の解明 平成27年度に動原体に局在するモーター分子CENP-Eと染色体腕部に局在するモーター分子Kidが、共同して染色体整列に関与することを明らかにした(Nat Commun, 2015)。これをふまえてCENP-Eあるいはダイニンを末端結合に必須の分子であるHec1と共に発現抑制すると、染色体が紡錘体から離れてしまう様子が観察され、側面結合が末端結合と協調的にはたらいていることが示唆された。 3. 効率的な染色体整列と染色体安定性の関連の解明 Kidの発現抑制細胞では染色体整列に要する時間が延長し、染色体不安定性がひきおこされることが判明し、効率的な染色体整列が染色体安定性に必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
側面結合の分子機構の解明に関しては、側面結合に関する分子としてモーター分子ダイニンを同定し、ダイニンが側面結合による染色体の移動に関与することを明らかにした。また側面結合時の動原体と微小管の状態を電子顕微鏡でとらえることができた。 染色体整列の機構の解明に関しては、側面結合している染色体が紡錘体中央に整列する機構として、モーター分子CENPおよびKidの共同作用を明らかにすることができた(Nat Commun, 2015)。また側面結合と末端結合が協調して染色体の紡錘体への結合に関与することがわかった。さらに効率的な染色体整列が染色体安定性に重要であることを示唆するデータが得られた。 これらの成果から判断して、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の成果をふまえ、平成29年度には以下のような実験を行う。 1.側面結合の分子機構の解明 平成28年度に引き続き電子顕微鏡による動原体と微小管の結合の観察を行う。また側面結合と末端結合に関与する分子間の関係を免疫沈降法や免疫染色法により明らかにする。 2.染色体整列の機構の解明 ライブセルイメージングにより、染色体が整列する課程での側面結合による染色体動態と、それに関与する分子のはたらきを明らかにする。 3.側面結合から双方向性結合が形成される機構の解明 側面結合に関与する分子と末端結合に関与する分子との関係から、分裂期の初期には側面結合が積極的に形成され、末端結合が抑制されている可能性について検証する。 4.効率的な染色体整列と染色体安定性の関連の解明 効率的な染色体整列が障害される状況において染色体不安定性がひきおこされるという結果に基づき、その原因について解析を行う。
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Research Products
(30 results)
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[Journal Article] Activation of the Hypoxia Inducible Factor 1α Subunit Pathway in Steatotic Liver Contributes to Formation of Cholesterol Gallstones2017
Author(s)
Asai Y, Yamada T, Tsukita S, Takahashi K, Maekawa M, Honma M, Ikeda M, Murakami K, Munakata Y, Shirai Y, Kodama S, Sugisawa T, Chiba Y, Kondo Y, Kaneko K, Uno K, Sawada S, Imai J, Nakamura Y, Yamaguchi H, Tanaka K, Sasano H, Mano N, Ueno Y, Shimosegawa T, Katagiri H
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Journal Title
Gastroenterology
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] De Novo Truncating Mutations in the kinetochore-microtubules attachment gene CHAMP1 Cause Syndromic Intellectual Disability2016
Author(s)
Isidor, B, Kury, S, Rosenfeld, J, A, Besnard, T, (28 authors), Iemura, K, Ikeda, M, Tanaka, K, Bezieau, S
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Journal Title
Hum Mutat
Volume: 37
Pages: 354-358
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] 染色体不安定性とがん2016
Author(s)
田中耕三
Organizer
第75回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(横浜市・神奈川県)
Year and Date
2016-10-06 – 2016-10-08
Invited
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