2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H04400
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
富岡 憲治 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30136163)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | サーカディアンリズム / 概日時計 / 神経行動 / 時計遺伝子 / 昆虫 / RNA干渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
概日時計分子振動機構の全容を明らかにするため、本年度はフタホシコオロギ(Gryllus bimaculatus)を用いて、①m-cryの機能と周期発現制御系の解析、②cycの周期発現制御系の解析、③Clkの発現制御系の解析、および④clockwork orangeの機能解析を並行して行い、以下結果を得た。 m-cryの機能と周期発現制御系の解析については、まずクローニングにより全長cDNAを取得した。その結果、少なくとも4種のスプライシングバリアントがあることが分かった。もっとも長いものの構造はハエと類似していた。その発現リズムをmRNAレベルで検討したところ、いずれも夜間にピークとなる周期的発現を示すことが分かった。2本鎖RNAを用いたRNA干渉を行った個体では、活動リズムは継続するが、周期がやや長くなる傾向を示した。これらのスプライシングバリアントをハエ培養細胞に導入するため、cDNAを入れたベクターを作成した。cycの周期発現機構の解析については、発現制御に関わる可能性のある遺伝子HR3とE75のcDNAのクローニングを行い、HR3についてはほぼ全長cDNAを、E75については部分配列を取得し、現在その構造解析を行っているところである。また、リアルタイムPCR用のプライマーを作成し、mRNA発現解析の準備を整えた。Clkの発現制御系については、vrilleとPdp1εのcDNAを取得してその構造解析を行い、いずれもbZIP領域を持つ転写制御因子であること、またmRNAがそれぞれZT10、ZT18にピークを持つ日周発現パターンを示すことを明らかにした。Cwoの機能解析については、まずクローニングによりその部分配列を取得した。mRNAの発現は暗期前半ピークを持つ日周リズムを示すことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに進展し、結果も順調に得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って進める予定であるが、適宜新たな時計関連遺伝子も解析対象に加えて進める予定である。
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Remarks |
研究科webページで本研究課題を紹介するもの。
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Research Products
(15 results)