2015 Fiscal Year Annual Research Report
高次元表現型解析を駆使した遺伝情報による細胞の動作原理の解明
Project/Area Number |
15H04402
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大矢 禎一 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (20183767)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 出芽酵母 / 高次元表現型解析 / ハプロ不全性 / 画像解析 / 必須遺伝子 / 遺伝子ネットワーク / 細胞形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、出芽酵母の必須遺伝子破壊株の解析を行った。研究材料として1,112ある必須遺伝子全てについて2倍体で2コピーある遺伝子のうち1コピーのみ破壊された株(ヘテロ2倍体)を用いた。実験方法としては、顕微鏡に基づく高次元表現型情報が取得できるCalMorph画像解析ソフトを用いて、細胞形態、アクチン、核DNAの形態情報を取得した後、501ある表現型パラメータそれぞれに最も適した確率分布を決定し、一般化線形モデルに組み込んで形態データを標準化して高次元表現型解析を行った。 優性遺伝子と劣性遺伝子の両方を持つヘテロ二倍体では、多くの場合優性遺伝子が支配する形質が表現型となり、これはメンデルの「優性の法則(第一法則)」と呼ばれている。ただし、ごく少数ながら明らかな例外があることが知られており、それはハプロ不全性と呼ばれてきた。つまりハプロ不全性を示す遺伝子では劣性側の表現型が現れてくる。ショウジョウバエの羽の形態を指標にした場合には6%、出芽酵母の増殖を指標にした場合には8%程度ハプロ不全性が観察されていた。今回、501の観点から出芽酵母のヘテロ二倍体必須遺伝子破壊株の形態表現型を一般化線形モデルに組み込んで解析したところ、全体の約半数にあたる657の必須遺伝子でハプロ不全性が認められた(FDR=0.01)。不適切な統計処理の結果としてこのような高い頻度のハプロ不全性が認められたのでないことは、100回以上繰り返し取得した野生型酵母のデータでは、そのような形態異常株が検出されないことから明らかになった。さらに、①調べる表現型の観点を501まで増やした結果として高い頻度のハプロ不全性が認められたこと、②ランダムに選抜した100の非必須遺伝子で調べると33%しかハプロ不全性が認められないことから、超高次元の表現型解析をにより、高い頻度のハプロ不全性が見られたことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高速高次元CalMorphシステムを使うとともに一般化線形モデルを導入して、より質の高い必須遺伝子破壊株のヘテロ二倍体の高次元表現型解析を行うことが予定通り、可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究テーマ1である、「出芽酵母の必須遺伝子に関する遺伝情報による動作原理の研究」を行うとともに、研究テーマ2である「化学遺伝学的アプローチによる遺伝情報による動作原理の研究」について研究を進める。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Plant-derived antifungal agent poacic acid targets β-1,3-glucan.2015
Author(s)
Piotrowski JS, Okada H, Lu F, Li SC, Hinchman L, Ranjan A, Smith DL, Higbee AJ, Ulbrich A, Coon JJ, Deshpande R, Bukhman YV, McIlwain S, Ong IM, Myers CL, Boone C, Landick R, Ralph J, Kabbage M, Ohya Y.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 112
Pages: E1490-1497
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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