2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H04412
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
狩野 泰則 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (20381056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 猛智 東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (70313195)
ジェンキンズ ロバート 金沢大学, 自然システム学系, 助教 (10451824)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 化学合成群集 / 分子系統樹 / 生物地理 / 深海 / 幼生 / 比較解剖 / 化石 / 古生態 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱水・冷湧水や鯨骨・沈木周辺堆積物を含む化学合成生物群集は、近年の深海生物研究の中心的存在である。しかし、少数の分類群を除き、これらの動物がいつどのような環境から化学合成系に進出したのか、現生型の深海化学合成群集がどの地質時代に成立したのかはよく分かっていない。本研究では、軟体動物門腹足綱の複数系統について、深海、干潟の嫌気環境および様々な好気環境の種を含めた網羅的な種間系統樹を作成し、化石記録と幼生生態の詳細な検討とあわせて、各環境への進出の絶対年代とルートに関しての傾向とその放散の要因を探る。 平成27年度は、アマオブネ亜綱を中心に重点的な分子系統解析を行ったほか、古腹足亜綱についてミトコンドリアゲノム解析の結果を論文化した。さらに、ミジンハグルマ科を含む異鰓亜綱について、国際共同研究による系統解析を進め、国内外の学会大会で発表した。また、干潟・マングローブ域を含む浅海の還元環境や好気環境に生息する種を採集するため、奄美大島ほか国内での野外調査を行ったほか、沈木などの深海遺骸群集に関連して東北沖での漸深海トロール調査を実施、大きな成果を得た。化石試料の収集と形態解析も順調に進めることができ、学会大会ほかにおいて発表を行った。発生初期の生息環境温度復元の観点では、ミョウジンシンカイフネアマガイの浮遊幼生飼育実施結果について、論文化にむけてとりまとめを開始したほか、国際学会等にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度9月に、国外の研究協力者を訪問し研究打ち合わせならびにデータ収集を行う予定であったが、同協力者が体調不良のため入院、予定延期の必要が生じた。その他の点では概ね当初計画の通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の予定通り、分子系統解析と化石記録の検討、形態比較ならびに幼生期を含めた生態に関する検討を継続、学会大会などで発表し、原著論文化する。
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Research Products
(17 results)