2018 Fiscal Year Annual Research Report
Pollinator's role in the generation of plant species richness
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15H04421
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川北 篤 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80467399)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コミカンソウ科 / ハナホソガ属 / タマバエ科 / ニューカレドニア / 虫えい / キノコバエ類 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度から2016年度にかけてペルーで行なったコミカンソウ科植物の生態調査の結果を論文としてまとめ、PLOS ONE誌で発表した。これは、旧大陸で発見されたコミカンソウ科とハナホソガ属の共生が、太平洋をはさんだ新大陸にも存在することを明らかにしたものであり、両者の多様性と共進化を理解する上で大きな発見である。また、この研究で見出された5種のハナホソガ属を新種として同論文で記載した。さらにペルーで調査したコミカンソウ属植物の中には、もっぱらタマバエによって送粉されていると考えられる種があり、ハナホソガ媒だけでなく、タマバエ媒も旧大陸、新大陸両方に存在することが分かりつつある。昨年度までに明らかになっていたコバンノキにおけるタマバエ媒については、タマバエの属の同定や幼虫生態の解明が進み、両者の共生関係の全体像が明らかになりつつある。 また、前年度までの研究で明らかになりつつあった、キノコバエ媒と関連した新しい送粉シンドロームについても大きな発見があった。この他、キキョウ科、ユリ科、モクレン科などの植物においても、送粉者との相互作用によって引き起こされたと考えられる、これまで知られていなかった適応が見つかり、そのいくつかについては、野外調査や行動実験を通して重要なデータが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コミカンソウ科植物の送粉様式の全容解明が着実に進んでおり、特に新大陸にもコミカンソウ科とハナホソガ属の共生が存在することが分かったことは大きな進展である。コバンノキを送粉するタマバエについては属の同定や生活史の解明が進み、論文投稿に向けて進展があった。また、キノコバエ媒が見つかったさまざまな科の植物をはじめ、他のいくつかの植物でも新しい適応が見つかり、送粉者との相互作用がもたらす植物の多様化についての理解が大きく進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度はニューカレドニアでの調査ができなかったため、最終年度はニューカレドニアでの調査を充実させ、ハナホソガ媒とタマバエ媒の間でどれほど頻繁に送粉様式の変化が起こっているのかや、送粉様式の変化が植物の多様化にどのような影響を及ぼしたかについて解析を深める。キノコバエ媒の植物や、キキョウ科、ユリ科、モクレン科などの植物についても送粉様式の解明、匂い分析などを進め、これらの比較を通して、さまざまな花形質の進化と植物の多様化がどのように関わっているのかを明らかにする。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Hawaiian Philodoria (Lepidoptera, Gracillariidae, Ornixolinae) leaf mining moths on Myrsine (Primulaceae): two new species and biological data2018
Author(s)
Kobayashi Shigeki, Johns Chris A., Lopez-Vaamonde Carlos, Doorenweerd Camiel, Kawakita Atsushi, Ohshima Issei, Lees David C., Hanabergh Sofia, Kawahara Akito Y.
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Journal Title
ZooKeys
Volume: 773
Pages: 109~141
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Promises and challenges in insect-plant interactions2018
Author(s)
Giron D, Dubreuil G, Bennett A, Dedeine F, Dicke M, Dyer LA, Erb M, Harris MO, Huguet E, Kaloshian I, Kawakita A, Lopez-Vaamonde C, Palmer TM, Petanidou T, Poulsen M, Salle A, Simon J-C, Terblanche JS, Thiery D, Whiteman NK, Woods HA, Pincebourde S
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Journal Title
Entomologia Experimentalis et Applicata
Volume: 166
Pages: 319~343
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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