2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H04482
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
池田 治生 北里大学, 感染制御科学府, 教授 (90159632)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 2次代謝産物 / 生合成遺伝子 / 転写解析 / 代謝解析 / バイオテクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
微生物が作り出す生物活性物質(抗生物質も含む)をはじめとする有用2次代謝産物の研究はこれまで生合成遺伝子群の解析など生合成経路や反応化学的な研究を中心に行われてきた。これらの微生物は抗生物質などの医薬品として重要な代謝産物を工業的なレベルで生産することが可能な代謝系を有していると考えられる。しかしながら、これまでその機構や代謝産物の原料となる前駆体供給の代謝などの研究は行われていなかった。本研究課題では、我々が開発した異種2次代謝産物生合成遺伝子群の効率良い発現系を用いて、生合成に利用される前駆体の異なる2次代謝産物の生成過程の前駆体代謝系のメタボロームおよび転写解析などを検討し、物質生産における本質的な機能を包括的に検証することを目的とする。物質生産では中心代謝系のメタボロームだけでなく、代謝フラックス解析が重要であると思われるため、中心代謝の代謝フラックス解析を行った。放線菌の代謝フラックス解析は大腸菌や酵母の方法を参考に行った。解析結果はいまだ誤差が多いが、Streptomycesの菌株は大腸菌などと比べてペントースリン酸経路の代謝が旺盛であることが明らかとなった(添加したglucoseの50%あるいはそれ以上がペントースリン酸経路に流れた)。そこで解糖系とペントースリン酸経路の分岐点となるフルクトース-6-リン酸からの代謝を変え、よりペントースリン酸経路側に流すため、6-phosphofructokinaseの遺伝子破壊株の取得を行った。6-phosphofructokinaseは3つのparalogが存在するため、順次これらのparalogを欠失させたが、3遺伝子全てを破壊した株は取得できなかった。前駆体がペントースリン酸経路の中間体sedoheptulose-7-リン酸であるshinorineの生合成遺伝子群の発現にこれらの2重欠失株を用いて検討したところΔpfkA2/ΔpfkA3で優位なshinorineの生成の増加が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は本学の研究費適正使用に関する調査があり、本学の監査法人および前記調査委員会より、科研費入金まで本課題研究に関する経費を一切使用してはならないとの通達があり研究開始が著しく遅れた。また、調査結果によっては配分予定の科研費の全額返還もあるとの旨の通達があった。 本年度の主目的の代謝フラックス解析は放線菌では例がなく、大腸菌や酵母で行われている方法を参考に検討したが、いくつか改良点が必要であることが明らかとなった。特に解析結果の誤差が無視できないことが多く、今後も方法を改良することが必須であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
代謝フラックス解析は大腸菌や酵母の方法を参考に行ったが、解析結果に誤差を生じることが無視できないため平成28年度の初めにこれらの問題を解決することとした。特に解糖系のphosphofructokinase遺伝子の欠失株に関しては一部の物質生産に良い影響を与えていることから、解糖系とペントースリン酸経路の代謝フラックス解析を正確に実施する。 一方、放線菌の一次代謝系ではペントースリン酸経路の代謝回転が良好であるため、このことの検証を得る目的でペントースリン酸経路の代謝系の各種欠失株を作製し、物質生産に対する影響を検討するとともに、それに伴う中心代謝系のメタボロームを検討する。
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Research Products
(1 results)