2015 Fiscal Year Annual Research Report
液胞アミノ燦排出トランスポーターの構造と機能制御機構に関する研究
Project/Area Number |
15H04486
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
柿沼 喜己 愛媛大学, 農学部, 教授 (80134394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 美幸 愛媛大学, 学術支援センター, 助教 (10454498)
関藤 孝之 愛媛大学, 農学部, 准教授 (20419857)
秋山 浩一 愛媛大学, 学術支援センター, 准教授 (80231835)
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 蛋白質 / トランスポーター / 構造解析 / 液胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
出芽酵母液胞アミノ酸トランスポーターAvt4のプロテオリポソーム再構成および構造解析に向けてコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系により全長タンパク質と膜貫通領域の高効率な合成を達成できた。現在、輸送活性の速度論的な解析に向け、リポソームへの再構成条件を検討中である。Avt4活性調節へのリン酸化の関与についてはN末端親水性領域の保存セリン/トレオニン/チロシン残基および、他の研究グループの網羅的リン酸化ペプチド解析によって報告された推定リン酸化部位へのアラニン置換変異導入により部分的なアミノ酸輸送活性の増加を検出した。また我々がAvt4の相互作用タンパク質として同定したBmh1について、Avt4のリン酸化によって同親水性領域とBmh1との相互作用が増加すること、ホモログであるBmh2との二重欠損によって液胞内中性/塩基性アミノ酸含量が大幅に減少することを見出した。よってBmh1/2がリン酸化Avt4との相互作用を介してアミノ酸輸送活性を負に調節することが示唆された。酵母遺伝子破壊株ライブラリーを使用したAvt4のリン酸化酵素同定に向けたスクリーニングでは非必須リン酸化酵素の単一破壊によるAvt4リン酸化状態の顕著な変化を検出できなかったことから、生育に必須なリン酸化酵素の関与やリン酸化酵素の多重破壊による影響を検討する必要性が示された。一方で脱リン酸化酵素であるSit4を欠損すると窒素飢餓条件でのAvt4の脱リン酸化が顕著に遅延し、液胞内アミノ酸含量の低下が抑えられたことから、Sit4がAvt4のアミノ酸輸送活性に負に作用することが示唆された。同時にSit4欠損株ではAvt4の細胞内レベルも低下したことから発現調節への関与についても並行して解析を進めている。また、シロイヌナズナ、植物病原菌フザリウムおよび分裂酵母のAvt4ホモログが各生物種において液胞膜に局在することを明らかにした。いずれも出芽酵母に発現させると液胞膜へと局在し、単離液胞膜小胞のATP依存的アミノ酸排出活性の増加を検出したことから、これらホモログは機能的にも保存されていることが示唆された。
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Research Products
(11 results)