2017 Fiscal Year Annual Research Report
神経組織受容体に作用する新規硫酸化生体制御分子の創製
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15H04502
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
榊原 陽一 宮崎大学, 農学部, 教授 (90295197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水光 正仁 宮崎大学, ,, 理事・副学長 (00128357)
榊原 啓之 宮崎大学, 農学部, 教授 (20403701)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | sulfation / sulfotransferase / sulfated / GPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、市場に流通する医薬品のほとんどがGタンパク質共役受容体(GPCR)を介して作用していると言われるように、生体制御分子(ホルモン、食品機能性成分、医薬品など)の多くが受容体を標的として生理作用を発現する。さらに、これらの生体制御分子の多くは、生体内において肝臓等の臓器で代謝され、その代謝産物が神経細胞などで受容体に作用し機能していることが想定される。また、作用標的としての受容体は、GPCR以外には、転写調節因子である核内受容体等も考えられる。本研究では、上述の生体制御分子の機能制御および代謝機構としての硫酸化に着目し、硫酸化された生体制御分子の酵素的調製法開発、受容体を介した情報伝達機構の解析技術開発と神経系細胞におけるその生理機能解明を目的とした研究を行う。 具体的には、細胞応答を基盤にしたGタンパク質共役受容体評価システムの検討を実施し、4種の異なる情報伝達経路をそれぞれ評価可能なレポーターアッセイ系の構築を目指して研究を実施した。 さらに、プロテオミクスによる生体制御分子硫酸体の生理機能解やモデル動物実験による生体制御分子硫酸体のメタボローム解析など、先端計測機器を用いて、タンパク質や代謝産物を網羅的に解析する事から、生体制御分子硫酸体の生理機能を明らかにする事を目的に研究を実施する。 これらの研究を通じて、新規機能を有する生体制御分子硫酸体を明らかにし、その医薬品などへの応用を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)リコンビナント硫酸転移酵素を用いた生体制御分子硫酸体の合成法確立 コール酸特異的硫酸化に関与する硫酸転移酵素に関する論文をとりまとめて投稿した。大腸菌において、コール酸硫酸体の調製し、TGR5経路に対する作用を検討した。
2)細胞応答を基盤にしたGタンパク質共役受容体評価システムの検討 TRE(12-O-Tetradecanoyl phorbol 13-acetate Response Element)とNFAT-RE(Nuclear Factor of Activated T-cells Response Element)、Gα12シグナル下流応答配列であるSRF-RE(Serum Response Factor Response Element)をルシフェラーゼ発現ベクターpGL4.17に組み込んだレポーターアッセイ系を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)プロテオミクスによる生体制御分子硫酸体の生理機能解明 二次元電気泳動による生体制御分子硫酸体が神経系培養細胞に与える影響の解析を解析する。同時に、いくつかのバイオマーカーに関しては、質量分析装置を用いたMRM解析により細胞への影響を解析する。
2)モデル動物実験による生体制御分子硫酸体のメタボローム解析 ゼブラフィッシュをモデルに、硫酸転移酵素やPAPS合成酵素遺伝子をノックダウンし、その影響をメタボローム解析することで生体内での基質を明らかにし、生理機能を解明する。
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Research Products
(12 results)