2015 Fiscal Year Annual Research Report
長期的な森林バイオマス利用可能量算定モデルの構築とエネルギー収支分析
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15H04508
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
有賀 一広 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (60313079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 保志 高知大学, 自然科学系, 准教授 (20216451)
吉岡 拓如 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00409070)
斎藤 仁志 信州大学, 農学部, 助教 (60637130)
當山 啓介 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (00613001)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 未利用木材 / 更新作業 / 経済収支 / エネルギー収支 / 施業体系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は下記の項目について研究を実施した。 1)栃木県において、木質バイオマス発電所に、未利用木材を燃料として供給する素材生産業者と森林組合による利用間伐、皆伐作業を調査し、木材利用率と生産性・コストを分析した。また、コンテナ苗を用いた皆伐再造林一貫作業を行っている森林組合では、地拵え、植付林作業についても調査を行い、生産性・コストを分析した。 2)高知県において、木質バイオマス発電所が2箇所で新規に稼動し、人工林に加えて未利用広葉樹林の利用も検討対象となっている。広葉樹も含めた未利用木材を燃料として供給する素材生産業者と森林組合による利用間伐、皆伐作業を調査し、木材利用率と生産性・コストを分析した。 3)長野県において、平成28年度に着工予定の木質バイオマス発電所と合わせて年間30万m3を使う中央加工施設とバイオマス発電所に、これまで未利用であったアカマツや広葉樹を供給する素材生産業者と森林組合による利用間伐、皆伐作業を調査し、木材利用率と生産性・コストを分析した。また、スギ皆伐再造林一貫作業を行っている素材生産業者や森林組合では、地拵え、植付作業についても調査を行い、生産性・コストを分析した。 4)栃木県北地域を対象として森林資源のエネルギー用途の利用が確立した場合にそれが森林所有者にとっての最適施業体系に及ぼす影響を検討した。 5)長野県において、各林地に適した収穫システムの収穫費用を、想定した買取価格と比較し、経済性が成り立つ林地から搬出される森林バイオマス量を利用可能量として推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
信州大学・農学部・助手(特定雇用)の白澤紘明博士が連携研究者として本科研に参画し、平成28年度以降に実施予定であった長野県における長期的な森林バイオマス利用可能量推計を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き下記の研究計画とおり実施する。 本研究では実際の未利用木材の収穫作業を調査し、木材利用率、生産性・コストを分析し、収穫費用算出式に丸太材積を新たに変数として組み込むことにより、現場に即した、より正確な利用可能量算定モデルを構築する。また、皆伐作業地においては、再造林作業についても調査を行い、生産性・コストを分析し、森林の更新も考慮した長期的な利用可能量算定モデルを構築する。さらに、経済性のみならず、林業機械や発電所等の設備の更新状況に関して調査し、長期的なエネルギー収支も評価する。
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Research Products
(30 results)