2015 Fiscal Year Annual Research Report
侵入地と原産地のマツノザイセンチュウの比較ゲノムと生態的特性の解明
Project/Area Number |
15H04521
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
秋庭 満輝 国立研究開発法人 森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 主任研究員 (50353553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 泰生 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20353659)
神崎 菜摘 国立研究開発法人 森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 主任研究員 (70435585)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マツ材線虫病 / マツノザイセンチュウ / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
マツ材線虫病(マツ枯れ)の病原体であるマツノザイセンチュウは、病原性等の生態的特性や集団遺伝学的に高い種内変異を持っている。また、原産地である北米では形態的に異なる系統(M型とR型)の存在が知られているが、その詳細な研究例は少ない。本研究では、1)マツノザイセンチュウの原産地である北米大陸産の複数の系統の株を対象に、それらの生態的特性・分類学的位置を明らかにし、ゲノムレベルで日本産の株と比較することにより、その種としての進化史・病原性獲得の要因を明らかにすること、2)日本国内に蔓延している系統の集団遺伝学的特徴を明らかにすることを目的としている。 本年度は、カナダおよびアメリカ合衆国産マツノザイセンチュウの形態的観察、ゲノムおよび集団遺伝学的解析のための生物材料の準備を行った。研究室に保存されている北米産マツノザイセンチュウを顕微鏡で観察した結果,カナダ産1株とアメリカ合衆国産1株がM型であることが判明した。複数遺伝子の解析の結果、北米産M型は日本産の株(全てR型)とは異なる系統であった。現在、北米産M型および北米産R型の株を単雌化培養することにより純系株の作出を進めており、これらを用いて全ゲノムシークエンス解析を行う予定である。また、日本国内の集団遺伝学的解析に供するため、これまで所有株が少なかった地域である沖縄よりリュウキュウマツ枯死木を採集し、マツノザイセンチュウ39株を樹立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
線虫の純系作出が進んでいること、集団遺伝学的解析のための線虫株も樹立できたことから、おおむね順調にすすんでいるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、交配試験と分子系統解析により北米産マツノザイセンチュウM型の分類学的位置を明らかにするとともに、作出された北米産純系株について全ゲノムシークエンスを実施する。
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Research Products
(1 results)