2015 Fiscal Year Annual Research Report
履帯張力センサによるアクティブテンションコントロール
Project/Area Number |
15H04573
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
福島 崇志 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (00452227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 英二 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00184739)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 履帯張力 / 揺動式履帯走行部 / 発振回路 / 発振周波数 |
Outline of Annual Research Achievements |
揺動機構を有する履帯走行部では、弾性体であるゴム履帯の張力変動がトラクタの走行性に影響を及ぼす。この張力変動を逆利用することで、トラクタの走行性向上が期待できる。一方、不整地を走行する履帯トラクタは、思わぬ負荷(特に旋回時)により履帯が破損、脱輪することが報告されている。これを事前に回避するには、履帯張力センサや張力制御が有効である。本研究では、履帯張力変動をリアルタイムでセンシングする技術開発から、履帯トラクタの走行・作業性向上に加え、履帯の破損や脱輪を事前に防ぐ安全性に関する揺動式履帯走行部のアクティブ制御の開発を目的としている。 そのため,ゴム履帯張力を実走行時において計測する方法の開発を目指した.具体的には,ゴム履帯の内部構造に着目し,履帯内部にとおるスチールコードを電極とみなした発振回路を作成した.本回路では,履帯張力が作用する際にスチールコード間距離が履帯の横ひずみに伴い変化することで,回路からの出力周波数が変化する.本年度は,ゴム履帯片を準備し,履帯スチールコードをむき出し,発振回路に接続し,張力と発振周波数の関係を明らかにした.試験機の都合上,最大2000Nの張力までしか作用できなかったが,張力と発振周波数の間に高い線形性が確認され,本計測方法の有効性が示せた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,張力センサの開発のため,その計測原理を構築することを目指し,基礎実験を重ねてきた.概ね予定通りに計測の可能性を見出すことができた.今後は,試験片ではなく,1本の履帯を用いた計測を実施する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、上記の履帯張力センサを実際のゴム履帯に反映し実走行時の履帯張力測定を目指す。また、本研究では張力センサの開発に並行し、履帯張力と走行性の関係及び履帯張力制御の可能性を検討するため、機構解析による評価を実施している。これまでに研究代表者が構築したシミュレーションモデルは、ゴム履帯の周方向の粘弾性特性を表現する特徴的なモデルであり、モデルパラメータは参考値として入力されている現状にある。次年度以降は、実際のゴム履帯を用いた引張実験を実施し、モデルパラメータの取得と考案した履帯張力センサの精度確認を実施する。これまでに、切断したゴム履帯を用いて静的引張試験を試みた。しかし、切断箇所にてゴム履帯内部に通されるスチールコードの把持が困難で、実際のゴム履帯の弾性特性を計測することはできなかった。したがって、引張試験は、ゴム履帯を二つのアイドラにかけアイドラ軸を引張する試験方法を検討する。レバーホイストもしくはチェーンブロックにより任意の荷重を与え、同時にロードセルおよび変位計により荷重-変位データを取得する。加えて、モデルパラメータについては、機構解析ソフト内で同様の引張試験シミュレーションを作成し、上記の実験結果との比較から、ゴム履帯の粘弾性パラメータを逆解析する。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 履帯張力測定に関する基礎実験2015
Author(s)
片桐拓紀,福島崇志,井上英二,光岡宗司,佐藤邦夫
Organizer
農業食料工学会関西支部例会
Place of Presentation
ヤンマーミュージアム(滋賀県・長浜市)
Year and Date
2015-10-09 – 2015-10-10
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