2017 Fiscal Year Annual Research Report
Species-dependent neural function organized by non-coding RNAs
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15H04603
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今村 拓也 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90390682)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 種特異的 / 転写因子 / ノンコーディングRNA / DNA脱メチル化 / 神経幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、種特異的ノンコーディングRNA(ncRNA)獲得と機能化が、既存のタンパク質をコードする遺伝子の発現スイッチを多様化しうるのか検定するものである。平成29年度は、先ず、1)げっ歯類と霊長類の多能性幹細胞から神経幹細胞に分化する過程におけるトランスクリプトーム変化の同定に成功した。また、げっ歯類においては、2)神経幹細胞が発達に伴い変化するメカニズムに関与する重要転写因子群を同定した。さらに、この成果を基礎として、3)神経幹細胞における機能転写因子の発現を制御しうる霊長類特異的ncRNAを同定し、機能解析を進行した。 1)2)については、新学術領域研究「先進ゲノム支援」のサポートを得て、マウス・チンパンジーに共通して存在し、且つ、時間経過とともに発現変化する重要転写因子群に着目することで、神経幹細胞を基点とした神経回路形成のためのゲノム修飾プロセスが、以下の3 つのステップから成り立っていることを明らかにした:I. 多能性幹細胞から誘導された神経幹細胞からは、先ずニューロンのみが優先的に産生されるが、このとき、ゲノム DNA における Sox2・Sox21・Ascl1の結合とDNA 脱メチル化が強く結びついて起こる。II. 次に、神経幹細胞は、Nuclear factor I(NFI)による DNA 脱メチル化の誘導により、ゲノム全体にわたる制御を一新し、神経幹細胞が産み出す細胞を、アストロサイトやオリゴデンドロサイトを生み出せる状態に移行させる。III. 一旦アストロサイトやオリゴデンドロサイトへと分化した細胞では、ニューロンで機能する遺伝子発現制御領域を再メチル化し強制的に OFF にすることで、アストロサイトやオリゴデンドロサイトから別の細胞、すなわちニューロンへと再分化されないように固定される。 1)2)の一部については責任著者として論文に採択され(Sanosaka et al., Cell Reports, 2017)、3)についても一部投稿準備中である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)