2015 Fiscal Year Annual Research Report
担子菌-細菌共生系におけるネオニコチノイド系殺虫剤完全分解系の構築
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15H04618
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平井 浩文 静岡大学, 農学部, 教授 (70322138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一瀬 博文 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00432948)
長井 薫 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (20340953)
亀井 一郎 宮崎大学, 農学部, 教授 (90526526)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 微生物 / ネオニコチノイド / バイオレメディエーション |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 白色腐朽菌によるネオニコチノイド系殺虫剤(NEOs)分解機構の解明 高活性リグニン分解菌Phanerochaete sordida YK-624株を用いてクロチアニジン(CLO)の分解を試みたところ、20日間培養で約40%が分解されることが判明した。そこで代謝産物の同定を試みたところ、代謝産物としてN-(2-chlorothiazol-5-yl-methyl)-N’-methylurea(TZMU)が同定された。また本分解反応にはシトクロムP450が関与していることも明らかとなった。 (2) NEOsを代謝可能なシトクロムP450の探索 リアクションアレイを用いて、アセタミプリド(ACE)を代謝可能なシトクロムP450の探索を行った結果、1つのシトクロムP450によりACEが代謝可能であり、代謝産物の同定を試みた結果、ACEが6-chloro-3-pyridinemethanolに変換されていることが明らかとなった。 (3) NEOs代謝産物の毒性試験 マウス神経芽細胞(Neuro2a細胞)を用いて、CLO代謝産物であるTZMUの毒性を評価したところ、CLOは濃度依存的に毒性を示したのに対して、TZMUは0~300 uMの範囲において無毒であった。以上の結果より、高活性リグニン分解菌Phanerochaete sordida YK-624株はCLOを無毒化可能であることが証明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
7種類存在するNEOsのうち、3種類については分解及び代謝産物の同定までが完了しており、順調に進行している。 また、共生細菌獲得に必要となるNEOs代謝に関与するシトクロムP450についても既にACEでは獲得が終了しており、今年度以降、本シトクロムP450遺伝子を有する酵母を用いることで代謝産物の大量合成が可能であり、さらに実際の集積培養も可能となる。 さらにNeuro2a細胞を用いることで毒性評価可能であることも判明したため、今年度以降、得られる代謝産物は全て毒性試験に供する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、残り4種類のNEOsについても実験に着手する。 また、ACEに関してはACE代謝産物をさらに分解可能な共生細菌を今年度中に選抜し、最低限、ACEについては完全分解系を構築する。
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Research Products
(1 results)