2015 Fiscal Year Annual Research Report
里山・里海ライフスタイルの被災時危機適応力とその評価手法の構築
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15H04622
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
深町 加津枝 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (20353831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 岩生 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (40240949)
柴田 昌三 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (50211959)
山本 清龍 岩手大学, 農学部, 准教授 (50323473)
奥 敬一 富山大学, 芸術文化学部, 准教授 (60353629)
小林 広英 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (70346097)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 里山・里海 / 地域資源 / 三陸海岸 / ライフスタイル / 自然災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2011年以降の東日本大震災により甚大な津波被害に遭い、その復興に際して急激に土地利用が変化しつつある宮城県南三陸町を事例に,自然災害と人家位置の変遷との関係を調査した結果、被災から時間が経つにつれて沿岸地域(津波浸水範囲内)へ人家が増加していたことがわかった。東日本大震災の被災後に、沿岸地域の人家はほぼ流出したため大幅に減少しているが、内陸の急傾斜地や土砂災害危険範囲に人家が増えていた。一方、里山・里海の資源利用、管理をめぐる新たな動向もみられ、自然資源のブランド化に向けた戦略や対象となる生態系の特徴、今後の課題が明らかになった。 釜石市の尾崎半島では、近年の少子高齢化、2011年の震災により、集落の停滞が大きな問題となっていることから、地域の魅力ある資源のインベントリーとマップを作成し、今後の観光復興と再活性化の方向性として、伝統文化の継承、漁業の再活性化、6次産業化の推進、自然歩道を活用した観光振興を提案した。また、宮城県気仙沼市においては、木質バイオマスエネルギー事業と関わる林業従事者、行政等の主体間の連携の現状を把握した。地域内の森林資源を活用した木質バイオマス発電を軸にしたさまざまな取り組みがみられ、森-里-海のつながりを創り出す上で重要であることが示唆された。さらに、里山・里海における「地域資源キューレータ」の役割の重要性、今後の可能性についても検討を行い、キュレーターが地域らしさや持続的な発展、審美性といった価値観に基づいて地域内の「資源」を探索・発見し、あるいは解釈し直していく役割があることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた地域での調査を開始し、地域との連携を深めるなどにより調査体制を充実させるとともに、今年度としての研究成果をまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究者や研究協力者が参加する現地検討会や成果の中間報告を行うとともに、成果を公表するためのサポート体制を充実させていく。
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Research Products
(6 results)