2015 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現と生体応答の包括的制御による治療係数の高いサイトカイン遺伝子治療法開発
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15H04638
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30171432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 有己 京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00547870)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / サイトカイン / プラスミドDNA / 抗原特異的免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
インターフェロン-β(IFNβ)は細胞増殖抑制作用、免疫調節作用、抗ウイルス作用など、多様かつ強力な生物活性を有するサイトカインである。IFNβをコードした遺伝子を投与するIFNβ遺伝子治療は持続的なIFN-βの供給を可能とする有用な治療法と考えられる。しかしながら、IFNβは遺伝子発現を強く抑制する作用を有することから、遺伝子導入後に発現するIFNβがIFNβ遺伝子発現細胞に対して作用することで、IFNβ遺伝子発現が抑制されるために持続的なIFNβ遺伝子発現の達成は困難であり、他の遺伝子の導入においては持続的な発現を可能としたpCpGベクターをもってしても持続的な発現は得られなかった。そこで本研究では、持続的なIFNβ遺伝子持続発現を可能とするベクターの開発を目的として、IFNβに応じて遺伝子発現が上昇するIFN応答性プロモーターであるMxプロモーターの利用について検討した。Mxプロモーターの下流にマウスIFNβをコードするプラスミドベクター(pMx-IFNβ)あるいはホタルルシフェラーゼ(fLuc)をコードするプラスミドベクター(pMx-fLuc)を構築した。pMx-fLucをマウスメラノーマ細胞株B16-BL6細胞に遺伝子導入後、種々の濃度のIFNβタンパク質を添加し、誘導されるfLucの活性を測定することでMxプロモーターのIFNβ応答性を評価したところ、Mxプロモーターは10 pg/mL以上のIFNβにより活性化されることが示された。ハイドロダイナミクス法によりマウスへpMx-IFNβを導入することでpMx-IFNβを導入したマウスでは、30日以上の持続的なIFNβ発現が得られた。以上、IFN応答性プロモーターであるMxプロモーターをIFNβ遺伝子発現に利用することで、従来の方法では困難であったIFNβの持続発現が可能となることを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IFN応答性プロモーターであるMxプロモーターをIFNβ遺伝子発現に利用することで、従来の方法では困難であったIFNβの持続発現が可能となることを見出したことから、研究はほぼ予定通りに進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、持続的なIFNβ遺伝子発現による治療効果について担癌モデルマウスを用いて検討する。また、IFNへの標的細胞指向性の付与を目的として、癌細胞特異的に発現する受容体に結合するリガンドを融合したIFNタンパク質を設計する。設計したIFNタンパク質をコードしたプラスミドDNAを構築し、これを遺伝子導入後に発現するIFNについてその標的細胞指向性について評価する。
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Research Products
(3 results)