2016 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーの機能形態学的基盤-隔離膜生成機構の解明に向けて
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15H04670
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
和栗 聡 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30244908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀高 諭 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (10303950)
田村 直輝 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70745992)
安納 弘道 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80258392)
植村 武文 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80548925)
荒井 律子 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (10342742)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オートファジー / 隔離膜 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)隔離膜初期構造体の形態解析:GFP-Ulk1を安定発現するマウス胎仔線維芽細胞 (MEF)においてアミノ酸飢餓によりオートファジーを誘導し、光学-電子顕微鏡相関解析を行った。その結果、隔離膜初期構造体と推測できる特殊形態を観察した。しかし、2016年8月に他の研究グループにより類似成果が発表されたため、急遽マイトファジーで見られる初期隔離膜構造に焦点を当てることとした。そのため、ミトコンドリアと隔離膜を同時に可視化できるツールとして共同研究者よりmito-mCh/EGFP-LC3Bを安定に発現するHela細胞を入手するとともに、Deferiproneによるマイトファジーの誘導実験系を確立した。 (2)電子顕微鏡レベルの3次元構造解析:昨年度に引き続き、オスミウムマセレーション法を走査型電子顕微鏡に応用し、野生型MEFおよびAtg3欠損MEFを用いて飢餓誘導による隔離膜の観察を行った。大きな進捗として数回の実験を経て試料調整法が安定化した。観察を進める中で隔離膜様構造が多数見つかったものの、明確な同定が困難であることが課題として残った。来年度は免疫ラベル法を応用する予定である。 (3)新規実験系の導入:形態解析を組織内細胞へ展開するために、癌カヘキシアにより誘導される筋組織内オートファジーの実験系を確立した。また、Atg2欠損細胞を用いてアミノ酸飢餓誘導を行い電子顕微鏡解析したところ、既に報告されている巨大凝集構造のみならず、伸張過程にある隔離膜を見出すことができた。来年度はこの隔離膜構造の詳細を分析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)GFP-Ulk1やmito-mCh/EGFP-LC3Bを用いた光学-電子顕微鏡相関解析の成果が出始めると共に、数名の研究員が関与する実験法が軌道に乗ったため。 (2)走査型電子顕微鏡を用いた解析について、旭川医大との連携により安定した形態像を得ることができるようになったため。 (3)カヘキシアにおける筋組織やAtg2欠損細胞など、新たな実験系を確立することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)隔離膜の初期構造体解析はマイトファジーに焦点を絞り、光学-電子顕微鏡相関解析を行う。 (2)走査型電子顕微鏡を用いた隔離膜の観察については、免疫ラベル法を開発する。 (3)カヘキシアにおける筋組織やAtg2欠損細胞、およびオメガソーム近傍に局在すると考えられるFAM134B-GFPを用いた解析を進める。 (4)最終年度であることを考慮して、成果の論文化を進める。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] p62/Sqstm1 promotes malignancy of HCV-positive hepatocellular carcinoma through Nrf2-dependent metabolic reprogramming2016
Author(s)
Saito T, Ichimura Y, Taguchi K, Suzuki T, Mizushima T, Takagi K, Hirose Y, Nagahashi M, Iso T, Fukutomi T, Ohishi M, Endo K, Uemura T, Nishito Y, Okuda S, Obata M, Kouno T, Imamura R, Tada Y, Obata R, Yasuda D, Takahashi K, Fujimura T, Pi J, Lee MS, Ueno T, Ohe T, Mashino T, Wakai T, Kojima H, Okabe T, Nagano T, et al.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 7
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Autophagy linked FYVE (Alfy/WDFY3) is required for establishing neuronal connectivity in the mammalian brain2016
Author(s)
Dragich JM, Kuwajima T, Hirose-Ikeda M, Yoon MS, Eenjes E, Bosco JR, Fox LM, Lystad AH, Oo TF, Yarygina O, Mita T, Waguri S, Ichimura Y, Komatsu M, SimonsenA, Burke RE, Mason CA, Yamamoto A
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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