2016 Fiscal Year Annual Research Report
膜電位存在下におけるイオンチャネルの機能と構造変化の1分子同時計測
Project/Area Number |
15H04675
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
清水 啓史 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (50324158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 真幸 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (40452122)
平井 義和 京都大学, 工学研究科, 助教 (40452271)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 1分子計測 / 蛋白質 / X線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではイオンチャネル蛋白質の1分子電流と1分子動態の同時計測を実現するため、次の2項目の開発を行うことを目的として研究を遂行した。(1)同時計測チャンバーの開発:X線照射による散乱バックグラウンドノイズの低い材料を検討し、照射領域にあたる窓材料と流路を形成する素材の双方を確定し、ノイズの小さい観測チャンバーを開発する。(2)観測プローブである金ナノ結晶のサイズ制御・表面修飾法を確立する。:観測プローブである金ナノ結晶は蛋白質と反応させる際、溶液中での分散特性、および蛋白質との反応性が重要である。これらの向上のため、分散特性・反応特性のよい金ナノ結晶の表面修飾法を開発する。 上記の目標達成のため、本年度は流路形成時における流路厚(水層の厚み)とX線バックグラウンドノイズの相関について計測した。その結果X線スペクトルに応じて最適な流路厚が変化することが分かった。流路形成のためのスぺーサー厚を変化させることによって、回折点を観測できる流路厚を決定することができた。金ナノ結晶については、ナノ結晶サイズと回折点の検出効率、およびX線スペクトルの相関についてデータを取得した。様々な金属アテニュエータを用いてX線の照射条件を変更し、金ナノ結晶からの回折像を計測することによって最適なX線照射条件を決定した。これらの結果はThe 30th EUROSENSORS (EUROSENSORS XXX)、日本生物物理学会、日本生理学会、日本ー台湾ナノメディシンシンポジウムで報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は同時計測チャンバー開発・金ナノ結晶開発ともに、X線照射スペクトルとの相関という観点から計測を行い、それぞれ最適な条件を見出すことができ、次年度の開発へ向けて重要な指針が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に計測したX線スペクトルと観測チャンバー流路厚、金ナノ結晶サイズの相関データに基づいて、開発を継続する。観測チャンバーについては作成プロセスを一部変更して最適な流路厚で観測チャンバーを作製する。金ナノ結晶についてはサイズ制御法を用いてサイズを大きくし、表面修飾を行うことで観測プローブの分散特性を向上させる方法を見出す。
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Research Products
(12 results)