2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of novel dose distribution analysis method considering dose gradient
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15H04767
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 正純 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (80314772)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Gradient法 / 線量勾配解析 / 線量分布解析 / 高精度放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、放射線治療におけるフィルムを用いた新しい線量分布評解析方法として、線量勾配を考慮することで線量誤差と位置誤差を有機的に結合した判定が可能なGradient法を提案し、その基礎理論を確立することである。 本研究では、フィルムによる測定を行うことが必須であり、実際の治療に即した状況で照射を行うためには患者を模擬したファントムが必要となるため、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)放射線治療グループ・医学物理WGで設計されたファントムを参考にした専用ファントムを製作した。また、線量分布解析では、専用のソフトウェアが必要であるため、従来から用いられているGamma法および本研究にて提案しているGradient法を同一条件で比較することが可能な線量分布解析ソフトの開発を行い、基本的な機能を実装した。 Gradient法では線量勾配による影響を考慮して合否判定を行っているが、線量勾配が急激に変化する境界において判定基準が極端に変化する現象が問題となっていた。この現象が発生する原因を調査したところ、原理的に極端な変化が生じることが判明した。そこで、この現象が発生する原因を特定し、判定基準を滑らかに結合することが可能なアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムを実装したGradient法による判定結果と従来の極端に判定基準が変化する状態での判定結果ではやや許容できない違いが観察されたため、アルゴリズムの実装は必須であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Gradient法による解析を行うためには、専用のソフトウェアが必要であるため、市販されている線量分布解析ソフトのアドイン開発を進めていたが、開発協力者の異動に伴い、開発の中断を余儀なくされた。そこで、改めて自作での線量分布解析ソフトの開発に着手したため、研究計画が大幅に遅れる結果となった。しかし、これまでのように市販ソフトをベースとした開発では限界のあった点を自作ソフトウェアでは自由に変更できることから、結果として、より高度な解析を行うことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
製作したファントムおよび開発した自作線量分布解析ソフトを用いて、複数の施設において強度変調放射線治療を想定した照射に対する測定を行い、Gamma法およびGradient法による解析結果を比較する。
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Research Products
(4 results)