2018 Fiscal Year Annual Research Report
双生児家系世代間データによるライフコース疫学モデルでの不妊治療の長期影響の検証
Project/Area Number |
15H04785
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
大木 秀一 石川県立看護大学, 看護学部, 教授
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Project Period (FY) |
2015 – 2018
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Keywords | 双生児 / 不妊治療 / 生殖補助医療 / ライフコース疫学 / 世代間伝達 / 縦断研究 / DOHaD仮説 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1コホートデータにおける妊娠状況は、52%が自然妊娠(不妊治療無し)、24%が生殖補助医療[ART]妊娠(体外受精、顕微授精、凍結胚移植)、22%が一般不妊治療妊娠(タイミング法、排卵誘発法、人工授精)であった。 国内での既存データから妊娠の方法別多胎出生割合について推定した値とほぼ同じであった。自然妊娠は6割であり、不妊治療妊娠の割合よりも多いが、その差は縮まりつつあった。不妊治療妊娠では、一貫して一般不妊治療妊娠の割合がART妊娠の割合を上回っていた。妊娠の方法別では、自然妊娠と一般不妊治療妊娠では一貫して30~34歳が最多であった。ART妊娠では、一貫して35歳以上が最多であり増加傾向を続けていた。年齢階級別では、35歳以上は、自然妊娠が最多であるが、その割合は現在横ばいであり、不妊治療ではART妊娠が一般不妊治療妊娠を上回り、上昇傾向にあった。自然妊娠と不妊治療妊娠全体を比較すると、多胎出生全体に与える影響は、30~34歳の自然妊娠が20%以上であったが、近年35歳以上の不妊治療妊娠が一貫して増加傾向にあり現在20%を超えていた。不妊治療による多胎出生割合は減少傾向にあるとはいえ、多胎出生全体の半数近くに迫っている。特に、35歳以上のARTによる妊娠の増加傾向が注目された。 妊娠方法(自然妊娠、一般不妊治療妊娠、ART妊娠)別での児の出生体重・身長、妊娠週数には違いはほぼ見られず、身体発育面ではARTの影響は確認できなかった。双生児を妊娠した時の気持ちは、不妊治療妊娠では「不安や戸惑い」よりも「嬉しさや喜び」の方が自然妊娠よりも有意に高かった。 不妊治療の長期的影響を考えるうえでは、ART以外の不妊治療の影響が予想以上に大きいので、今後一般不妊治療の登録も検討が必要であることが示唆された。
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Research Progress Status |
30年度が最終年度あるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度が最終年度あるため、記入しない。
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