2015 Fiscal Year Annual Research Report
医療機器使用の安全安心な電磁環境の確立と無線通信による医療の効率向上に関する研究
Project/Area Number |
15H04794
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
花田 英輔 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90244095)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 孝人 大分大学, 工学部, 准教授 (60225159)
石田 開 東京医療保健大学, 公私立大学の部局等, 助教 (40745105)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 電磁環境 / 無線通信 / 医療機器 / 電源ノイズ / 電力線高速通信 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
○医療機器・福祉機器・各種設備(電気設備や空調設備)間相互の電磁干渉調査:電気設備との官署調査の一環として、事項に挙げる高速電力線通信(PLC)使用時の電力供給への影響と医療機器への影響を調査し、論文(医療機器学会)にまとめ、発表した。 ○医療機器と高速電力線通信相互の電磁干渉調査:前項に述べたPLCを用いた通信による電力の歪み調査と共に、PLC使用による放射電磁界の測定、一部医療機器へのノイズ混入有無の調査を実施した。その結果超音波診断装置への電源歪みに由来すると考えられるノイズ重畳を発見し、学会発表を行った。 ○医療における無線通信技術導入例の実証と導入の利欠点の整理:RFIDを活用した医療機器運用管理システムの実証実験を進めるべく準備し、東京大学医学部附属病院のご協力を得て実証試験中である。 ○医療現場における無線通信の安全な導入に向けた手順の検討:二次素案をまとめる中で、電波環境協議会(EMCC)が組織した「医療機関における電波利用推進部会」に研究代表者が座長代理として参加することになり、こちらでの活動を実施したことにより平成28年4月4日に報告書と手引きを発行した。また、医療機関内に無線LANを導入する際に起こり得る障害をまとめ、国際学会で発表し論文化した。 ○電磁環境シミュレーションの機能強化と実証実験:誘電体を周期性を持って配置することによる無線LAN周波数帯の遮蔽の可能性について、2次元シミュレーションを実施した。その結果、効果的な遮蔽を行うための基礎データを取得し、学会発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画したうち、PLCにかかる部分と導入手順の検討については、既に学会発表および論文発表という成果を得ている。一方、電磁干渉調査は一部医療機器で実施できたが、対象機器の種類を増やす必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、5つの内容について推進する。電磁干渉調査はPLCによる影響では対象機器を増やし、必要に応じて他の電磁ノイズ源による干渉調査を行う。RFIDを用いたシステムは実証実験の継続と共に量産化の方策を検討する。無線通信導入手順については、電波環境協議会が発した手引きの周知を図ると共に、対象となる環境を在宅等に拡げて検討を続ける。電磁界シミュレーションについては3次元シミュレーションへの拡張を進め、帯域的な電磁波遮蔽材の試作品を作製するための仕様策定を急ぐ。また、これと並行して実証実験の準備を進める。
|
Research Products
(11 results)