2017 Fiscal Year Annual Research Report
Role of oxidative stress response in pancreatic diseases and therapeutic application
Project/Area Number |
15H04804
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
正宗 淳 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (90312579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 晋 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20451560)
田口 恵子 東北大学, 医学系研究科, 講師 (20466527)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は膵特異的なK-ras変異に加え、アダプター分子であるKeap1のconditional knockout (CKO)によって恒常的なNrf2活性化を来したマウスでみられる進行性の膵実質変性のメカニズム解明を行った。本マウスへNrf2+/-またはNrf2-/-バックグラウンドを導入することで変異K-ras::Keap1 CKOによる膵萎縮は抑制されることを確認し、マウスの生存期間も延長することが明らかとなった。膵癌モデルであるKPCマウスにKeap1 CKOを付加した場合には膵発癌がみられる時期(生後5か月以降)まで生存できるマウスが得られなかったが、さらにNrf2+/-またはNrf2-/-バックグラウンドを導入することで膵発癌を来したマウスが得られた。これらのマウスから樹立した細胞株を解析した結果、KPC::Keap1 CKO::Nrf2+/-マウス由来細胞株ではKPC::Keap1 CKO::Nrf2-/-マウス由来細胞株に比べてNrf2標的遺伝子であるNqo1やglutathione-S-transferaseの発現増加がみられた。これらの遺伝子に加え、KPC::Keap1 CKO::Nrf2+/-マウス由来細胞株ではサイトケラチンファミリー遺伝子の広範な発現変動がみられ、上皮としての形質に変化が生じている可能性が考えられた。KPC::Keap1 CKO::Nrf2+/+マウスの膵組織ではこれらの変化がさらに増強していると推測され、進行性の膵実質脱落のメカニズムの一部を担っている可能性が考えられる。また、KPC::Keap1 CKO::Nrf2+/-マウス由来細胞株ではNrf2の過剰蓄積にもかかわらず、明らかな腫瘍形成能の増強はみられなかった。膵癌の進展過程において、Nrf2抑制系の機能喪失が有する意義について更なる検討が必要と思われる。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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