2016 Fiscal Year Annual Research Report
Liquid biopsyシークエンスによる肝膵がんの診断とバイオマーカー探索
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15H04814
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中川 英刀 国立研究開発法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, チームリーダー (50361621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | liquid biopsy / がんゲノム / 膵がん / IPMT |
Outline of Annual Research Achievements |
和歌山県立大学および山梨大学よりIPMT患者からの膵液を合計49例について、収集を行い、膵液よりcfDNAの抽出を行った。その結果、NGSでの解析を行える十分な量がとれ、コントロールとなる正常DNAも確保できたのは37例であり、KAPA hyperprep kitを用いて、10ngのinputにてNGSライブラリーの作成を行った。Exome captureを行い、膵液cfDNAについてはx200-x150、正常DNAについてはx100を目標にNGSでのシークエンスをおこない、VarScan2およびGENOMON2をにて、変異callを行った。その結果、20/37についてKRAS遺伝子変異、18/37についてGNAS遺伝子変異を検出できた。IPMTは、KRASまたはGNASのどちらかの変異がほぼすべての細胞に入っていると考えられており、12/37についてはKRAS/GNASの変異を検出しておらず、腫瘍細胞由来のDNAが感度以下しか含まれていないものと考えられる。KRAS/GNAS以外に、TP53やRNF43の変異を20-25%の膵液で検出した。さらには、これらのexomeのデータから、コピー数異常の検出を試み、30例についてQCをクリヤーして、chr17pやChr8qのコピー数異常を検出することができた。これらのゲノム変異データと病理学的な悪性度(High-gradeや浸潤癌の有無)との関連を探索している。また、TP53の変異が同定された2症例について、FFPE標本を入手し浸潤癌の部位よりDNAを抽出し、浸潤がんの部位にTP53の変異があることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵液のcfDNA解析のほうは、ほぼ終了し、論文作成に遂行中である。肝癌の血漿cfDNAについては、収集作業がほぼ終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した肝癌の血漿cfDNAについては、bar-coding付きのNGSライブラリーの作成とNGSでのシークエンスを行う予定である。また、データ解析についても、方法を確立し、腫瘍差細胞のDNAとの対比を行いつつ、アルゴリズムのチューニングを行う。
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Research Products
(4 results)