2015 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性神経障害発症機構の解明と治療法開発に向けた基礎研究
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15H04850
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
富澤 一仁 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (40274287)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 神経障害 / tRNA / Cdkal1 / 遺伝子改変動物 / 神経変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.糖尿病性神経障害の分子機構の解明 10~12週齢のCDKAL1欠損(KO)マウスおよび(WT)野生型マウスに高脂肪食を12および20週間自由摂食させた。高脂肪食を負荷したKOマウスは、耐糖能が低下していることを糖負荷試験で確認した。これらマウスを用いて、以下の項目について検討した。 ①KOマウスにおける神経栄養因子分泌量の検討・・・KOマウスとWTマウスの腰髄を摘出し、トータルRNAを精製した。BDNFのmRNA量について、定量PCR法にて検討した。KOマウスとWTマウスでは有意な差は認めなかった。一方、血清中のBDNF量について、ELISA法にて検討した。すると、KOマウスの血清ではBDNF量が低下してた。さらに高脂肪食を負荷したKOマウスでは、さらにBDNF量が低下した。 ② KOマウスにおける神経細胞変性についての検討・・・もしプロセシングされない神経栄養因子が神経内に蓄積すると、神経細胞死が誘導されることが推察される。そこでKOおよびWTマウスの腰髄を摘出し、薄切片を作製後、TUNEL染色を行った。高脂肪食負荷KOマウスでは、TUNEL陽性細胞が増加した。 ③ KOマウスの感覚神経機能の評価・・・WTとKOマウスの感覚神経機能を比較するため、ホットプレート試験を行った。KOマウスでは、温度感覚の鈍麻が認められた。またアセトンによる冷温覚試験でも、KOマウスでは感覚が鈍麻していた。一方、KOマウスの痛覚はWTと有意差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた研究内容はすべて実施することができた。さらに、仮説どおりCdkal1欠損マウスでは神経感覚が鈍麻していることが示されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載しているとおりの研究計画を遂行する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] A cautionary tale: The non-causal association between type 2 diabetes risk SNP, rs7756992, and levels of non-coding RNA, CDKAL1-v1.2015
Author(s)
Locke, J.M., Wei, F.-Y., Tomizawa, K., Weedon, M.N., and Harries, L.W.
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Journal Title
Diabetologia
Volume: 58
Pages: 745-748
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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