2016 Fiscal Year Annual Research Report
治療抵抗性統合失調症におけるグリア-ニューロン回路網異常の解明
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15H04894
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
宮岡 剛 島根大学, 医学部, 准教授 (50284047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋岡 禎征 島根大学, 医学部, 講師 (00622523)
津森 登志子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (30217377)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 統合失調症 / グリア細胞 / 神経細胞 / ヒト死後脳 / 免疫組織染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.統合失調症死後脳の病歴調査及びデーターベース作成。対象:島根大学精神医学講座及び解剖学講座保存管理されている統合失調症死後脳(15例)及び性差及び年齢が一致した健常人死後脳(15例)を選定した。検討事項:統合失調症死後脳に関する一般情報として、性別、生活歴(アルコール、喫煙、依存性薬物摂取歴等)死亡時の年齢、死因、死亡時の状況、死亡後脳組織固定及び凍結までの時間、解析に用いられるまでの組織固定及び凍結されていた期間を調査する。臨床情報として生前の病状の経過、死亡時の精神状態、治療歴、合併症の影響、薬物治療反応性について診療録をもとに調査した。健常人死後脳についても同様に一般情報を調査した。 2.統合失調症死後脳の海馬領域の活性型ミクログリア等の分布状況の解析(光学顕微鏡)対象:島根大学精神医学講座及び解剖学講座にて保存管理されている統合失調症死後脳(5例)及び性差及び年齢が一致した健常人死後脳(5例)を対象とした。検討事項:海馬領域を含む凍結切片を作成し、抗Ibal抗体、抗CD11b抗体、抗GFAP抗体、抗MBP抗体、抗NewN抗体等を用い、活性型ミクログリア細胞、アストログリア細胞、オリゴデンドロ細胞の分布状況について光学顕微鏡下で詳細な検討を行った。 3.結果上記手法が可能であることが明確となったので、島根大学医学部において医の倫理委員会へ申請及び承認を得た。現在観察検体の集積を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、統合失調症という未だ病因不明の精神疾患の病態解明へつなげ、新規治療薬の開発および治療戦略を確立することができ、難治性統合失調症患者の治療や根治に貢献できる可能性のある社会的に重要性が高い研究である。研究手法が確立したことが確認できたので、島根大学医学部において、医の倫理委員会へ申請、承認後観察検体を集積する。具体的には研究分担者である県立広島大学津森教授が定期的に来学し、研究機関である島根大学医学部精神医学講座において、標本作成及び組織染色指導を担当し、電気顕微鏡による標本作成及び解析も同様に行い、統計解析へ導いていく。
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Strategy for Future Research Activity |
統合失調症死後脳における海馬歯状回のグリア細胞の形態学特徴評価のためのPilot studyから得られた結果をもとに、引き続き、統合失調症死後脳と健常者死後脳を用いて、海馬歯状回の成熟・未成熟ニューロンそれぞれの分子マーカーを用いて免疫染色を行う。そして共焦点レーザー顕微鏡及び光学顕微鏡で比較解析を行い、それらの分布様態や数的差異を比較解析する。また、同様に治療抵抗性統合失調症モデルラット(Gunnラット)及び覚醒剤投与ラットの脳組織学研究を行い、それらのグリア細胞の形態学的特徴を発展的に解析及びニューロンの成熟度についても解析を行う。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] A Long-term Study of the Association between the Relative Poverty Rate and Suicide Rate in Japan.2016
Author(s)
Inoue K, Fujita Y, Takeshita H, Abe S, Fujihara J, Ezoe S, Sampei M, Miyaoka T, Horiguchi J, Okazaki Y, Fukunaga T
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Journal Title
JOURNAL OF FORENSIC SCIENCES
Volume: 61
Pages: 140-S143
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Epidemiological Characteristics of Disaster-related Suicides in the 3-4 Years since the Great East Japan Earthquake.2016
Author(s)
Ken Inoue, Haruo Takeshita, Yoshikazu Takinami, Masaharu Hoshi, Yoshihiro Noso, Nobuo Takeichi, Junko Fujihara, Kaori Kimura-Kataoka, Yasuyuki Fujita, Rei Wake, Tsuyoshi Miyaoka, Satoko Ezoe, Jun Horiguchi, Yuji Okazaki
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Journal Title
International Journal of Emergency Mental Health and Human Resilience
Volume: 18(2)
Pages: 742-743
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Electroconvulsive shock attenuated microgliosis and astrogliosis in the hippocampus and ameliorated schizophrenia-like behavior of Gunn rat.2016
Author(s)
Limoa E, Hashioka S, Miyaoka T, Tsuchie K, Arauchi R, Azis A I, Wake R, Hayashida M, Araki T, Furuya M, Liaury K, Tanra A J, Horiguchi J
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Journal Title
Journal of Neuroinflammation
Volume: 13(1)
Pages: 230
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 気分障害が先行した前頭側頭型認知症の三症例.2016
Author(s)
三浦章子, 長濱道治, 三木啓之, 田中一平, 金山三紗子, 山下智子, 林田麻衣子, 和氣玲, 橋岡禎征, 宮岡剛, 堀口淳
Organizer
第57回中国・四国精神神経学会.
Place of Presentation
松山市(メルパルク松山)
Year and Date
2016-11-10 – 2016-11-11
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[Presentation] Electroconvulsive shock attenuated microgliosis and astrogliosis in the hippocampus and improved schizophrenia-like behavior of Gunn Rat.2016
Author(s)
LIMOA ERLYN, 橋岡禎征, 宮岡剛, 土江景子, 荒内亮輔, ABDUL AZIS ILHAMUDDIN, 和氣玲, 林田麻衣子, 荒木智子, 古屋智英, LIAURY KRISTIAN, TANRA ANDI JAYALANGKARA, 堀口淳
Organizer
第57回中国・四国精神神経学会.
Place of Presentation
松山市(メルパルク松山)
Year and Date
2016-11-10 – 2016-11-11
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[Presentation] 意欲低下に対して釣藤散が有用と思われた軽度認知障害の1症例.2016
Author(s)
長濱道治, 小池昌弘, 松田泰行, 三木啓之, 田中一平, 三浦章子, 金山三紗子, 山下智子, 河野公範, 林田麻衣子, 岡崎四方, 和氣玲, 橋岡禎征, 宮岡剛, 堀口淳
Organizer
第31回日本老年精神医学会.
Place of Presentation
金沢市(金沢歌劇座)
Year and Date
2016-06-23 – 2016-06-24
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