2015 Fiscal Year Annual Research Report
がん幹細胞のレドックス制御に基づいた放射線増感治療法の創成
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15H04904
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
近藤 隆 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (40143937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田渕 圭章 富山大学, 研究推進機構, 教授 (20322109)
松谷 裕二 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 教授 (50255858)
趙 慶利 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (90313593)
小川 良平 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (60334736)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 過酸化水素 / グルタチオン |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞死増強のための有効なレドックス修飾薬剤の探索とその検証実験を進めた。 レドックスとは、Reduction(還元)とOxidation(酸化)を合体させた化学用語で、酸化・還元反応の均衡を意味する。治療のためにこれを修飾することは、細胞間情報の制御を通じて、アポトーシスを増やすことに通じる。以前の研究により、放射線アポトーシスの増強には、H2O2が効果的であることを示してきた。そこで、細胞内でH2O2を誘導するFK228誘導体であるスピルコスタチンBを使用、アポトーシスモデル細胞(U937)を用いて、増感効果を調べたところ、6 nMで、5Gyおよび10 Gyともに約2倍の増強を認めた。アポトーシス関連情報伝達分子の変化を調べたところ、スピルコスタチンB併用群で増強効果を認めた。同様の増強はMolt-4, HL60細胞でも観察された。 細胞内のGSH量を減らす薬剤を利用して、本学再生医学講座で樹立されたCD133(+), CXCR4(+)がん幹細胞様を用い放射線アポトーシス増強効果を検証したところ、増強比は。両(-)株に比べて僅かに高い傾向を示した。今後とも細胞内でのH2O2誘導手法およびGSH低減化法により、アポトーシス増強効果を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞内の過酸化水素およびグルタチオン量が放射線誘発アポトーシスの修飾に重要との仮説が立証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞水準の成果を蓄積するととともに、分子レベルでの機構解明と、実験動物での検証を目指す。
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Research Products
(13 results)