2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of next-generation type autologous heart valve (biovalve)
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15H04940
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
武輪 能明 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (20332405)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心臓弁膜症 / 人工弁 / 自家組織 / 組織工学 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)バイオバルブステントの、大動物を用いた長期性能評価 成ヤギを麻酔下、手術的にバイオバルブ作製用鋳型に金属ステントを組み込んだもの複数個皮下に埋入した。1-2ヶ月後に周囲に形成された皮下組織体と共に作製用基材を取り出し、鋳型を除去してバイオバルブステントを得た。それを用いて経カテーテル的方法(Apical approach)により、大動物(成ヤギ)の大動脈(TAVI)および肺動脈(TPVI)に移植した。その後慢性実験に移行し、動脈圧負荷状態で性能を1-6ヶ月間継続的に評価した。作製したバイオバルブステントはTAVIおよびTPVIにより留置可能であった。また、弁の機能は良好に経過し、6ヶ月以上安定して機能することが示された。組織学的には血栓や切開の所見もほとんど無く、自家細胞が、血液接触面を内皮細胞様に被覆し、内部にも徐々に侵入する所見が捉えられた。 2)開心術用人工弁の、大動物を用いた急性実験による基本性能評価 実験方法:成ヤギを麻酔下、手術的にバイオバルブ作製用鋳型を複数個皮下に埋入し、1-2ヶ月後摘出しバイオバルブ (補強リング付き)を得た。開胸、心停止体外循環下に大動脈弁置換術を行った。作製した開心術用バイオバルブは手術的に大動脈弁位に留置可能であった。実験中血行動態は安定し、弁は良好に機能した。 3)ヤギ成長モデルを用いた、バイオチューブの成長性の検討 生後約2ヶ月、体重15 kg前後の仔ヤギの頸部皮下に、バイオチューブ作製用鋳型を複数個埋入した。1ヶ月後に皮下組織体と共に作製用鋳型を取り出しトリミングしバイオチューブを得て、頸動脈を血流遮断後切断し、断端部にバイオチューブの両端を端端吻合して移植した。その後頸動脈エコーや血管造影で、バイオチューブのサイズおよび血流量をモニターしたところ、血流は良好で、血管径が経時的に増大する傾向が捉えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初より、平成28年度から29年度にかけて、1)バイオバルブステントの、大動物を用いた長期性能評価、2)開心術用人工弁の、大動物を用いた急性実験による基本性能評価、3)ヤギ成長モデルを用いた、バイオチューブの成長性の検討を行うこととしており、概ね目標を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、28年度に引き続き3)ヤギ成長モデルを用いた、バイオチューブの成長性の検討を行うと共に、4)Full root typeの、大動物を用いた急性実験による基本性能評価および長期性能評価を行う。
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