2015 Fiscal Year Annual Research Report
グリオブラストーマ根治を目指すグリオーマ幹細胞研究総合戦略PART2
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15H04946
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
北中 千史 山形大学, 医学部, 教授 (70260320)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経膠芽腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は26年度までの基盤(B)研究「グリオブラストーマ根治を目指すグリオーマ幹細胞研究総合戦略」の主な成果として、糖尿病治療薬メトホルミンならびにJNK阻害薬がグリオーマ幹細胞標的治療薬の有力候補となることを世界に先駆けて見出し、メトホルミンについては臨床試験実施を予定するに至っている。そこで本研究ではこれら治療薬を今後実地臨床に応用してゆく上で検討が必要と考えられる事項につき基礎~前臨床レベルの研究を開始した。 具体的には、我々はごく最近がん幹細胞制御における細胞内糖代謝の重要性を発見していることから、より有効性の高いメトホルミン治療の実現を念頭に「糖代謝への直接介入」とメトホルミンのグリオーマ幹細胞制御における相互作用について検討を行うとともに、JNK阻害薬の臨床応用を加速するため、ドラッグリポジショニングの発想に基づいてグリオーマ幹細胞を標的とする新たなJNK阻害薬の開発に取組んでいる。従来in vitro, in vivo実験に用いてきたJNK阻害薬SP600125は臨床上の(=ヒトへの)安全性が確認されていないことから、我々は臨床上の安全情報が存在するJNK阻害薬をグリオーマ幹細胞治療薬として使用することを考え、本課題で検討を行った。その結果CEP1347のみならず新たなJNK阻害薬がグリオーマ幹細胞抑制効果を示すことが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の大きな目的であるドラッグリポジショニングによるグリオーマ幹細胞標的治療薬開発という観点で、当初予定していた薬剤のみならず新規JNK阻害薬がグリオーマ幹細胞抑制効果を示すことが新たに確認されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに見出されたJNK阻害薬のグリオーマ幹細胞標的治療薬としての有用性をin vitro, in vivoの各実験系においてさらに検証するとともに、これらの薬剤を用いてグリオーマ根治療法モデルの作成を目指す。
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