2015 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系ネットワークと動的恒常性破綻による下部尿路機能障害発症機序の研究
Project/Area Number |
15H04972
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
武田 正之 山梨大学, 総合研究部, 教授 (80197318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 修一 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10280752)
富永 真琴 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 自然科学研究機構, 教授 (90260041)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 下部尿路機能 / 複雑系ネットワーク / 動的恒常性 / 時計遺伝子 / 機械センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 膀胱の機械センサー候補であるTRPチャネル、Piezo1、小胞型トランスポ-タ-の下部尿路における機能発現・調節機構について、自律神経系機構と動的恒常性破綻という新しい観点から、新規下部尿路機能障害治療法を探求した。方法と結果1.時計遺伝子異常と夜間排尿異常:あるClock変異マウスが夜間多尿・夜間頻尿を呈した。夜間多尿・夜間頻尿疾患モデルマウスとしては世界最初である。2.時計遺伝子異常といわゆる機械センサーである温度感受性TRPチャネル、Piezo1、およびVNUTとの関連マウス摘出膀胱のin vivo実験;野生型では、時計遺伝子、TRPチャネル、Piezo1、VNUTなどの概日リズムは保存された。疾患モデル摘出膀胱では各種時計遺伝子群とTRPチャネル、Piezo1、VNUTの概日リズムも消失していた。マウス初代培養上皮細胞実験;野生型では、時計遺伝子、TRPチャネル、Piezo1、VNUTなどの概日リズムは保存された。疾患モデル摘出膀胱では各種時計遺伝子群とTRPチャネル、Piezo1、VNUTの概日リズムも消失していた。3.下部尿路機能障害と関連する血中・尿中バイオマーカー候補の探索①夜間頻尿・夜間多尿患者において、CE TOFMAS、LC TOFMASによる血中、尿中物質のメタボローム解析を行った結果、血漿から脂質系の複数個の候補物質が検出された。②難治性過活動膀胱患者において、CE TOFMAS、LC TOFMASによる血中、尿中物質のメタボローム解析を行った結果、血漿から少なくとも6種類、尿から少なくとも3種類の候補物質が検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
夜間多尿・夜間頻尿疾患モデルマウスの開発に成功し、特許申請、論文投稿中である。 下部尿路に発現する機械センサーと時計遺伝子が複雑系を形成しており、時計遺伝子と下部尿路の機械センサーの発現に関係があることが証明された。
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Strategy for Future Research Activity |
1.難治性夜間頻尿患者、難治性過活動膀胱患者と正常対照者とで、血漿および尿中のメタボローム解析をより正確に行う。 2.上記1 で同定された疾患マーカー候補物質を用いて、疾患の早期診断が可能かどうか検討する。 3.上記1 で同定された疾患マーカー候補物質の活性薬、阻害薬を開発し、疾患モデルマウスに投与して排尿行動に対する効果を検討し、新規治療薬の開発をめざす。 4.時計遺伝子変異マウスに対して、時計遺伝子機能賦活薬を投与して、排尿行動に影響があるかを検討する。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Muscarinic Binding of the Novel Radioligand, [3H] Imidafenacin in the Hauman Bladder and Protid Gland,2015
Author(s)
Akira Yoshida, Shiori Kuroda, Yoshiki Ito, Takashi Okura, Yoshiharu Deguchi, Atsushi Otsuka, Seiichiro Ozono, Masayuki Takeda, Isao Araki, Shizuo Yamada
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Journal Title
J Pharmacol Sci
Volume: 124
Pages: 40-46
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Yamaguchi O, Marui H, Kakizaki H, Homma Y, Igawa Y, Takeda M, Nishizawa O, Gotoh M, Yoshida Y, Yokoyama O, Seki N, Ikeda Y, Ohkawa S2015
Author(s)
Yamaguchi O, Marui H, Kakizaki H, Homma Y, Igawa Y, Takeda M, Nishizawa O, Gotoh M, Yoshida Y, Yokoyama O, Seki N, Ikeda Y, Ohkawa S
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Journal Title
BJU Int
Volume: 113
Pages: 951-960
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] State of Art Lecture III: Chair2015
Author(s)
Masayuki Takeda
Organizer
The 9th of Pan-Pacific Continence Society Meeting, Taichung, Taiwan
Place of Presentation
Taichung(Taiwan)
Year and Date
2015-09-14 – 2015-09-14
Int'l Joint Research / Invited
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