2016 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系ネットワークと動的恒常性破綻による下部尿路機能障害発症機序の研究
Project/Area Number |
15H04972
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
武田 正之 山梨大学, その他, 理事 (80197318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 修一 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10280752)
富永 真琴 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90260041)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 下部尿路機能障害 / 複雑系ネットワーク / 動的恒常性破綻 / 発症機序 / P2Y6受容体欠損マウス / 時計遺伝子異常 / 夜間頻尿 / TRPチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
1.P2Y6受容体欠損マウスの過活動膀胱モデルマウスとしての有用性と過活動膀胱発症機序におけるP2Y6受容体の意義:P2Y6遺伝子欠損マウスは過活動膀胱モデルの一つと考えられるが、過活動膀胱発症におけるP2Y6遺伝子の意義は、末梢組織よりも脳脊髄などの中枢神経系にあると考えられた(Kira S, et al.: P2Y 6 -deficiency increases micturition frequency and attenuates sustained contractility of the urinary bladder in mice, Scientific Reports, 7:1:771.)
2.時計遺伝子異常と睡眠行動、24時間排尿行動の異常との関連性に関する研究:Ihara T., et al.:Neurourol Urodyn, 2017, 36:1034-1038
3.時計遺伝子異常といわゆる機械センサーである温度感受性TRPチャネル、Piezo1、およびVNUTとの関連性に関する研究:Ihara T., et al.:Plos One, 2017, 12:1:e0168234
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト遺伝子多型、血中・尿中バイオマーカー候補と臨床症状の探索:山梨大学医学部附属病院および関連施設の外来患者を対象として行った。すでに倫理審査に関しては、本申請書5ページの「人権の保護及び法令等の遵守への対応」により、山梨大学倫理委員会の承認を受けている。 難治性過活動膀胱患者の血中・尿中バイオマーカー候補の探索 対象者;難治性過活動膀胱患者と同年齢・性別の正常対照者 方法;血中のメタボロミクス解析を実施した。 結果:脂質系の複数個の候補物質が検出された。 難治性過活動膀胱患者26名(平均年齢67.4±5.2歳)と同年齢・性別の正常対照者32名(平均年齢65.7±3.9歳)であった。 結果;結果;CE TOFMAS、LC TOFMASによる血中物質のメタボローム解析を行った。血漿から少なくとも6種類、尿から少なくとも3種類の候補物質が検出された。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる研究の発展のために、2017年度の科学研究費助成金【挑戦的研究(萌芽)】 (H29~H30)「革新的メタボロミクス解析技術による難治性下部尿路機能障害に対するバイオマーカー/治療標的分子の網羅的探索」に申請中である。 研究開始時の達成目標案は、以下の通りであった。 そのなかで、5,6,8に関しては、計画以上の成果を達成しつつある。また、プリン受容体のなかのP2Y6受容体の科活動膀胱発症における意義についても、研究成果が得られた。今後は、残りの研究テーマの解明に向けて研究を進めて行く予定である。 1.低酸素応答における下部尿路組織リモデリング 2.マクロファージによる下部尿路組織の代謝制御とその破綻 3.老化シグナルと脂肪組織・下部尿路組織連関 4.一酸化窒素由来ストレスの制御とシグナル機構 5.生体時計ネットワークによる動的ホメオスタシスとその破綻 6.TRPチャネルを介した酸素・活性酸素種のセンシング機構 7.活性酸素シグナルと概日リズムの関連 8.ヒト夜間頻尿・過活動膀胱患者におけるオ-ミクス解析
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Carbenoxolone inhibits TRPV4 channel-initiated oxidative urothelial injury and ameliorates cyclophosphamide-induced bladder dysfunction2017
Author(s)
Zhang X,Gao S,Tanaka M,Zhanq Z,Huanq Y,Mitsui T,Kamiyama M,Koizumi S,Fan J,Takeda M,Yao J
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Journal Title
J Cell Mol Med
Volume: 2017
Pages: 346
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Urothelial ATP exocytosis: regulation of bladder compliance in the urine storage phase2016
Author(s)
Nakagomi H,Yoshiyama M,Mochizuki T,Miyamoto T,Komatsu R,Imura Y,Morizawa Y,Hiasa M,Kira S,Fujishita K,Shibata K,Shigetomi E,Shinozaki Y,Takeda M,Koizumi S
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 6
Pages: 29761
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant