2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of fundamental treatment for human genetic hearing loss
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15H04989
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
蓑田 涼生 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (30284772)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 遺伝性難聴 / 遺伝子治療 / 胎生期内耳 / エレクトロポレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性難聴の過半数は遺伝子異常が原因である。遺伝子異常による先天性難聴の根本的治療を考えた場合、その治療時期により1)異常な表現型の出現前、2)異常な表現型の出現後の2つに分けて考える必要がある。本研究は1)の治療を目指し、すべての内耳の原基である胎生期耳胞を治療ターゲットとし、治療手段として遺伝子治療および人工多能幹細胞(iPS 細胞)を用いた細胞治療を用い、それぞれの治療効果について検討を行う。遺伝性難聴のモデルとしては、Pendred症候群の主たる原因遺伝子であるSLC26A4遺伝子の欠失マウスを用いる。また、治療可能域(生後いつの時期まで治療可能か)について検討するために出生直後のマウス内耳を用いて同様の検討を行う。 前年度までに、SLC26A4 欠失マウス耳胞内に正常SLC26A4遺伝子をエレクトロポレーション法にて遺伝子導入を行い、その後の形態、機能について最長12ヶ月後まで経時的に評価を行うこととして、そのうちの胎生期18.5日、生後14日、生後30日、生後90日、生後150日までの蝸牛形態評価、聴覚評価を行い、蝸牛形態が正常化し、難聴発症が抑制されることを確認した。 今年度は、前年度にうまくいかなかったiPS細胞の生着を目指す。すでにiPS細胞を、胎生期内耳の分化・発生の時期に合わせたiPS細胞を作成し、移植を開始している状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エレクトロポレーション法による胎生期内耳への遺伝子導入技術はすでに成熟を迎え、ほぼ確実に胎生期内耳へ遺伝子導入することができ、評価可能であるマウスサンプルが増加しているため。ただし、iPS細胞に関しては移植しても、生着しないことが多く、その確率を増加させることが必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞を生着させるために、発生段階のステージを合わせ分化させたiPS細胞を大量に培養する。また、iPS細胞移植後の生着確率を上昇させるために、免疫不全マウスを用意する予定である。
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Research Products
(2 results)