2015 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚前庭系に発現するカルシウムチャネルの機能とその薬理学的制御に関する包括的解析
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15H04990
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
稲垣 彰 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (70405166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (20326135)
蒲谷 嘉代子 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (50569259)
村上 信五 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80157750)
富永 真琴 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), その他部局等, 教授 (90260041)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | カルシウムチャネル / 耳科学 / 耳鼻咽喉科学 / 遺伝子スクリーニング / 内耳内投与 / 薬理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はカルシウムチャネルの蝸牛内での分布を検討し、その機能を検討し、可能なら薬理学的な制御の方法を見出すことを目標とする。 この目標のため、第一に、内耳に分布するカルシウムチャネルを遺伝子レベルで検索することを目的とした。当初、マウス内耳のレーザーダイセクションによる部位特異的な遺伝子の採取を目指したが、mRNAの濃度が不足することが判明し、蝸牛全体の採取に切り替え、遺伝子同定を行った。その結果、新たな遺伝子が蝸牛らせん靭帯を中心に発現することを確認した。モノクローナル抗体を用いてマウスでの蛋白レベルでの発現を免疫染色を用いて確認したところ、非特異的反応の問題が生じたため、動物種をラットに変更した。ラットでの免疫組織学的検討を行ったところ、特定のタイプのらせん靭帯に発現することが明らかとなった。また、その蛋白分子量は、他の臓器のものとほぼ同じであり、発現は生後1週ではほぼ検出できず、成長とともにその発現が増強し、生後4週程度まで成長すると、強く発現することが明らかとなった。 そのため、生後6週のラットを用いて、その機能を薬理学的に検討することとした。機能解析のためまず、内耳内に薬液を注入しながら術中モニタリングにより聴力を測定するシステムを構築した。耳包を開放し、正演奏を露出、同部よりガラス管を用いて薬液を注入するシステムを構築した。耳包の開放とともに数十dBの聴力閾値上昇が生じたため、その対策として、手術法の改良を行った。また、投与量、速度の検討を行い、DMSOの投与では閾値上昇のないことを確認した。陽性コントロールとして、1Mカドミウム溶液の注入を行い、聴力閾値が速やかに20dB程度上昇することを確認した。今後は投与装置の内液を交換することで、多数の薬剤を短時間で交換するシステムの構築を目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
技術的な問題から計画を変更しているが、新規遺伝子の同定とその分布の確認に成功しており、概ね順調に推移していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ、予定はしていないがさらなる技術的な困難が生じた場合には、他の研究室や企業に必要が生じた場合には技術的な支援を求める。
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Research Products
(1 results)