2016 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺由来筋上皮細胞の幹細胞性とその腫瘍原性の解析
Project/Area Number |
15H05013
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安原 理佳 昭和大学, 歯学部, 助教 (20453649)
田中 準一 昭和大学, 歯学部, 助教 (40710166)
河野 葉子 昭和大学, 歯学部, 准教授 (40195681)
入江 太朗 昭和大学, 歯学部, 准教授 (00317570)
福島 美和子 昭和大学, 歯学部, 助教 (90548273)
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
阪井 丘芳 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (90379082)
馬渕 洋 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (50424172)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 筋上皮細胞 / 唾液腺 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
FACSを用いてCD49fhighEpCAMlow(筋上皮細胞)、CD49flowEpCAMhigh(管腔細胞)およびCD49fmidEpCAMmid(基底細胞)それぞれの分画より細胞を単離した。単離した細胞からRNAを抽出後、RNAseqを用いて遺伝子発現プロファイルを作製し比較検討を行った。その結果、前年度までの結果同様、CD49fhighEpCAMlowの分画では、他の2つの分画と比較して筋上皮細胞のマーカー因子であるα2-SMAとMyh11の発現が高く、一方、管腔上皮のマーカーであるCK18の発現は低かった。このことより、RNAseqの結果からもCD49fhighEpCAMlowの分画が筋上皮細胞の濃縮された分画であることが検証された。さらに、極めて興味深いことに、本分画ではSox8, 17といった一群の転写因子の高い発現が認められた。今後、これらの因子の機能について解析する予定である。また、CD49fhighEpCAMlowの分画が高いスフェアー形成能を有している事が明らかとなり、形成されたスフェアーには管腔様構造の存在や腺房のマーカーであるAqp5遺伝子の発現が確認された。したがって、少なくともin vitro の培養系では一部の筋上皮細胞に幹・前駆細胞様の性格がある可能性が示唆された。しかしながら、本分画に筋上皮細胞以外の細胞が混入している可能性を否定することは困難なので、より高い純度で筋上皮細胞の濃縮が可能な2系統のトランスジェニックマウス;Myhll-CreEGFPおよびMyhll-CreERT2:tdTomatoを用いて解析を進めた。その結果、タモキシフェンを腹腔内投与したMyhll-CreERT2:tdTomatoマウスで筋上皮細胞特異的に赤色蛍光が確認され、本蛍光を指標にFACSを用いて筋上皮細胞が単離可能なことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
筋上皮細胞の単離に成功し、さらにin vitroの培養系ではあるが、筋上皮細胞には少なくとも、唾液腺幹・前駆細胞様の性格がある可能性が明らかとなった。また、筋上皮細胞特異的と考えられる複数の転写因子の同定にも成功し当初の計画通り順調に成果が上がっていると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、筋上皮細胞単離の純度を高めると共に、in vivoにおける当該細胞の機能・動態をを解析する。さらには、その腫瘍原性を検証する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 唾液腺由来筋上皮細胞の単離と性質解析2016
Author(s)
Yasuhara R, Tanaka J, Fukushima M, IrieT , Kohno Y, Mishima K
Organizer
105回日本病理学会総会
Place of Presentation
仙台
Year and Date
2016-05-12 – 2016-05-14