2015 Fiscal Year Annual Research Report
小動物のマイクロエンドモデルの確立と新規根管治療法や根管治療薬の開発に関する研究
Project/Area Number |
15H05021
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野杁 由一郎 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50218286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 幹代 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30523089)
呉本 勝隆 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (40734306)
恵比須 繁之 大阪大学, 歯学研究科(研究院), その他 (50116000)
湯本 浩通 徳島大学, 大学病院, 講師 (60284303)
山本 れいこ 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (70636133)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロエンドモデル / マイクロCT / ラット / 病理組織学的観察 / リアルタイムPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、ラットを用いて、マイクロエンドモデルの確立を目指した。1.10週令の優性Wister系ラットを用い、感染根管治療(根治)モデルを作製し、評価した。下顎両側第一臼歯の4根管全てに根尖性歯周炎を誘発したモデルと4根管のうち1根管のみに根尖性歯周炎を誘発したモデルを作製した. 露髄4週後, 両モデルとも右側は根管を行う治療群とし, 左側は未処置の対照群とした. 根治は防湿下、マイクロスコープ観察下で行った. 4根管モデルの評価は2. 1-3) 項で行い, 1根管モデルの評価は2. 2) 項にて行った. 1) 根尖病変体積の計測: 露髄後4-12週にマイクロCTの撮影し根尖病変体積を算出した. 2) 根管内細菌量の定量: 根治直後の下顎第一臼歯の近心根のみを凍結後粉砕後, 遺伝子抽出を行った. その後, ユニバーサルプライマーを用いてリアルタイムPCRを行い, 根管内細菌の定量を行った. 3) 病理組織学的観察: 露髄12週後の組織切片を作製し, H-E染色およびB-B染色を施して光顕観察した. 4根管根治モデルにおいて, 治療群の近心根根尖病変体積は露髄6週後以降有意に縮小し (Welch’s t-test, p<0.05), 露髄12週後の体積は露髄4週後の体積の23%に縮小した (対照群: 48%). 1根管根治モデルでは治療群と対照群の根尖病変の体積に有意な差は認められなかった. 治療群の近心根の細菌量 (3.2×10の7乗 cells) は対照群 (0.8×10の7乗 cells), 健全歯 (0.2×10の7乗 cells) と比較して有意に減少した (Steel-Dwass test, p<0.05). 病理組織学的観察の結果, 治療群の近心根は露髄12週後において根尖部歯周組織の治癒像が確認されたが, 根管内は細菌の残存が僅かに認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラットのマイクロエンドモデル(感染根管治療モデル)の確立に成功し、世界で初となる、小動物の根治モデルに関する国内学会発表を今春6月に予定するとともに、国際学術雑誌への論文を現在執筆中である。 並行して、本モデルを用いて、新規治療法・治療薬の評価実験を開始しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
代表者が、平成28年4月1日付で、新潟大学に転任したため、研究組織の大幅な変更(分担者と協力者の変更・追加等)を行う予定であるが、研究の主体は変わらず大阪大学大学院歯学研究科で行う予定で、研究の進捗に大きな支障は出ないと考えている。
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Research Products
(4 results)