2016 Fiscal Year Annual Research Report
次世代歯周軟組織再生療法としての角化上皮粘膜誘導制御
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15H05026
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前川 賢治 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (20304313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60613156)
渡辺 亮 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (60506765)
大島 正充 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00548307)
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔粘膜 / 角化 / 基底膜 / 上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では,新たな生物学的付着歯肉獲得療法を開発する.具体的には,付着歯肉の獲得,維持に関与するタンパク質群,組織特異的キー遺伝子を網羅的に解析し,その作用機序を明らかとした上で, 歯槽粘膜の付着歯肉化を図る事を目的としている.そのために,付着歯肉の形成,維持を制御するタンパク質群を同定し,それらのタンパク質群を産生する細胞種を明らかにする必要がある. 昨年度,ラミニン332が上皮細胞の角化に関与していることを突きとめた.今年度はそのメカニズムを詳細に検討した.その結果,角化粘膜下と非角化粘膜下では結合組織内の間葉細胞の性質が大きく異なること,またこれらの間葉細胞の性質の違いが角化粘膜と非角化粘膜のラミニン332の発現の相違をもたらすことで,口腔粘膜上皮の角化を制御していることが培養実験において明らかとなった.また,現在,角化粘膜と非角化粘膜における基底膜分子の発現様式に関し,免疫組織化学染色にて網羅的に解析をしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は,昨年度に口腔粘膜の角化に関与している分子として同定されたラミニン332の機能解析を実施し,そのメカニズムの一部を明らかにした.また,他の基底膜分子の発現様式に関する網羅的解析も実施し,幾つか発現様式が異なるものを発見することに成功したことから,それらの遺伝子改変マウスも用いた解析も開始し,計画どおり実験が進行したものといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,ラミニン332の臨床応用に向け,in vivoモデルでの検討を実施していく予定である.さらに,基底膜分子の網羅的解析により角化歯肉に特異的に発現する基底膜分子の同定に成功したことから,遺伝子欠損マウスを用いた口腔粘膜の表現型解析ならびにその基底膜分子がどのように口腔粘膜の角化に関わっているのか,分子生物学的手法を用いて明らかにする予定である.
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Research Products
(3 results)