2015 Fiscal Year Annual Research Report
未分化間葉系幹細胞を用いた力を起因とする歯科疾患の超早期自律診断と予防治療の開発
Project/Area Number |
15H05029
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鮎川 保則 九州大学, 大学病院, 講師 (50304697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熱田 生 九州大学, 大学病院, 助教 (30423487)
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50195872)
荻野 洋一郎 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50380431)
松崎 達哉 九州大学, 大学病院, その他 (70736694)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インプラント / 未分化間葉細胞 / 応力 / 診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病やインプラント周囲炎は細菌感染と力の相互作用により病態が悪化していくことが広く知られている。現在、細菌感染に対しては局所の清掃、嫌気環境の根絶、局所および全身への抗菌剤投与が行われ、力のコントロールは咬合の適正化をはじめとする方法がとられている。これらの治療のスタートは、多くの場合患者あるいは医師が疾患に気づいてから開始されることが多いが、そのきっかけは出血、X線像など視覚に頼ったものか、患者の自覚的要素によるものであり、インプラント周囲炎の場合特に不可逆的なものになりやすいことより超早期の診断が求められている。本研究では、炎症部位に速やかに集積する能力をもつ未分化間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell: MSC)を超早期の診断および一次治療に利用する可能性を探究するものである。本年度は、まず、病原体に対する防御能を有するβディフェンシンというタンパクに注目し、インプラント材料に対する吸着挙動の確認を行った。その結果、チタンは陶材やジルコニアと比較してβディフェンシンが吸着しやすいことが明らかになった。次に、天然歯・インプラント周囲に力学的負荷を作用させた際のMSCの集積に関する検討として、ラット脛骨にインプラントを埋入し、応力負荷装置にて過剰な応力を負荷、またはラット臼歯にコンポジットレジンを築盛して早期接触状態を作製後GFP標識したMSCを全身投与し、組織標本にて力学的負荷でMSCが局所に集積するか確認した。その結果、群数は少なく確定的な結果ではないものの、応力負荷によってMSCが集積する可能性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
27年度は上記に加えてβディフェンシン遺伝子導入MSCの作製を実施予定であったが、遺伝子導入が適切に行われなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は上記のように若干の遅れが生じたので、遺伝子導入実験を速やかに行い、計画通り進める予定である。研究計画の変更は必要ないと考える。
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