2015 Fiscal Year Annual Research Report
振動付与装置の開発と効率的な歯の移動への応用に関する研究
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15H05048
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 照子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00127250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 智広 東北大学, 大学病院, 講師 (70362994)
竹下 信郎 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50431515)
清流 正弘 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80510023)
佐々木 紀代 東北大学, 大学病院, 医員 (70746958)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯科矯正学 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科矯正治療においては、数年の長期にわたって歯に装置を装着することから、齲蝕や歯周病、歯根吸収などさまざまな問題点も偶発する。そこで、矯正的な歯の移動速度の亢進により、治療期間の短縮をはかることができれば、これらの問題点の多くが解決される。従来、矯正力として静荷重が利用されてきたが、本研究では、動荷重である振動刺激に着目し、これらの併用による 歯の移動促進効果を安全に効率的に行うために、振動特性の最適化と有効な使用方法を検討する とともに、作用メカニズムを細胞・分子レベルまで解析して、生体に安全で有効な歯の移動促進のための新規振動付与矯正装置を開発することを目的とする。 平成27年度の研究内容は、振動付与装置を試作し、ラットの歯の移動モデルを用いて振動付与による歯の移動促進効果と歯根吸収などの副作用を検討した。振動発生装置は偏芯振動モータを用いた装置を試作した。モータベースには振動モータを使用し、モータはバッテリーBOX に接続され駆動される。歯の移動試験の結果、振動刺激による歯根吸収の増悪は認められず、振動付与による歯の移動促進効果が認められた。また、振動特性(振動荷重、振幅、周波数)、振動付与装置の作用時間、間隔などの振動付与方法を変化させた実験を行い、歯の移動促進効果と移動様相について検討し、至適振動付与条件を見いだすことに成功した。現在、in vivo における振動刺激の作用メカニズムの解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に予定していた研究内容(ヒトに適用可能な小型の振動付与装置の試作、至適振動特性の検討と振動付与システムの確立)についてはほぼ予定どおり遂行することができた。歯の移動亢進に至適な振動特性と付与方法を見いだすのに、多少時間を要したが、錘の形状を種々の条件で作製 し、数種類の振動特性をもつ装置を試作して検討することにより、有効で安全な至適振動付与装置を開発することができ、その後の研究は予定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、ほぼ予定通り進行しているため、平成28年度以降も、計画通りに進めていく予定である。平成28年度に、至適振動付与方法を用いた有効性・安全性の確立と作用メカニズムの解析を行い、平成29年度にin vitro における静荷重と振動刺激の作用メカニズムの解析を行う予定である。
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Research Products
(8 results)