2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05069
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山本 あい子 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (80182608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上泉 和子 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (10254468)
大野 かおり 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20300361)
西上 あゆみ 梅花女子大学, 看護学部, 准教授 (30285324)
村上 眞須美 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (40457742)
黒瀧 安紀子 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 講師 (70593630)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 災害 / 健康 / 看護 / 備え |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始1年目の平成27年は、先行研究の結果として得られた「看護の備え」130項目をもとに、その明確性や妥当性等の確認を行った。確認方法は、日本災害看護学会・日本看護科学学会・世界看護科学学会等の国内外の学会において、そこに参加している災害看護関連の教育者・研究者を中心に各項目の明確性等について尋ねた。明確性等の確認に続いて、本尺度の信頼性・妥当性の検証に向けて、既存の尺度の検索を行った。その結果、備え状況を測定している、あるいは関連する尺度自体の数が少ないこと、加えて、信頼性等の検証がなされていない尺度であること、また信頼性等が確保されていても、全体の項目数が多く、本尺度と併用して調査を行うことは、研究参加者に負担をしいる可能性があることが判明した。そこで本研究の最終目的が臨床的に備え度を把握しうる尺度開発であることから、本尺度の各項目に関する重要性(認識)と各項目に関する実際の実施度(行動)に関してweb調査を実施した。災害拠点病院702機関、看護系大学246校、保健所486ヶ所の総数1434組織を対象として、各組織2名ずつの回答を依頼した。総数370名から回答を得た。回答者の内訳は、臨床家167名(看護管理者59名、看護師長108名)、保健所関係者151名(保健所師長52名、保健師99名)、教員52名(学部長等6名、教員46名)であった。年齢は、平均49.4歳(年齢幅は24歳から71歳まで)、女性332名、男性38名であった。重要度に関しては、いずれの項目も大変重要、もしくは重要という回答が得られた。実施度については、できている、もしくは少しできているを含めて、40%以下から80%以上の幅で、またできていない、あるいはあまりできていないを含めて、10%から60%前後とばらつきが見られた。現在は、これらの差について、各項目の特徴等を詳しく分析しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究の結果から得られた130項目からなる備え尺度の信頼性・妥当性の検証を平成27年度には予定していた。しかし、基準として用いることができる既存の尺度自体を見つける難しさがあった。この状況には、尺度はあるものの、信頼性・妥当性の検証が行われていない尺度であることから、本尺度の検証のための基準尺度としては使用できないものであること、また信頼性等は確保されている尺度ではあるものの、項目数が140以上の尺度であることから、130項目で構成されている本尺度と並存して調査を行うと、研究協力者に負担がかかること等が判明した。そこで、本年の実施計画の修正を行った。本計画では、災害に対する備えの実施状況を、臨床的に判別しうる尺度開発を目指していることから、備えに対する認知と実際の備え度を問い、その結果から、本尺度が現実の備え状況を反映しうる可能性を調べることとし、本尺度は備えができにくいという現状の一部を表しているという結果を得た。研究計画の修正を行いつつ、研究を継続しているが、目的に向かって結果を得ていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に続いて、現在調査で得られた結果の分析を質的に続ける。分析は、備えの実施度の低い項目、高い項目等について、その特徴等を分析する。重要度については、ばらつきが大きくないが、項目毎に重要度の違いについて分析を行う。一方で信頼性や妥当性等の検証に用いることができる基準尺度の探索を行うが、適切な尺度がない場合には、本尺度が臨床的に災害に対する備えを測定しうる可能性のある尺度であるかどうかの検討を行った後、本尺度を用いてより多くの回答者を得る工夫を行い、調査を実施することも視野に入れて研究を進めていく。推進に向けては、TV会議システム等により、定期的に会議を行い、計画を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] 災害に対する看護の備え枠組み2015
Author(s)
黒瀧安紀子, 山本あい子,上泉和子,西上あゆみ,村上眞須美,大野かおり
Organizer
第35回日本看護科学学会学術集会
Place of Presentation
広島市文化交流会館(広島県広島市)
Year and Date
2015-12-05