2018 Fiscal Year Annual Research Report
フィジカルアセスメントに繋がる総合的解剖学実習モデルの構築を目指して
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15H05073
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
中野 隆 愛知医科大学, 医学部, 教授 (30148332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 美栄子 修文大学, 看護学部, 助教 (00762816)
内藤 宗和 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10384984)
八島 妙子 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (70310472)
篠田 かおる 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (70329829)
河村 諒 愛知医科大学, 看護学部, 助教 (70764083)
鈴木 里美 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (90387796)
小倉 久美子 一宮研伸大学, 看護学部, 講師 (10715139)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 看護学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
愛知医科大学看護学部において、医学部解剖学講座の協力を得て、本学病院の臨床看護師を対象とした『局所解剖セミナー』を実施したので報告する。『本セミナー』の目的は、解剖実習体を通して人体の立体的構造を正確に把握し、解剖学的リスクを考慮した安全な看護技術を学ぶことである。テーマは、「静脈採血と静脈路確保のための局所解剖」とし、少人数制の2時間のセミナーとして実施した。看護学部教員は、予め医学部解剖学講座の指導によって人体解剖を行い、看護技術およびフィジカルアセスメントに必要な解剖学的知識について理解を深めた.『本セミナー』では,事前に看護学部教員が上肢の剖出を行った.セミナー参加者(16名,20~50代)は、資料を参照しながら、採血および静脈路確保部位と解剖学的構造(特に皮下静脈,皮神経)の立体的位置関係を確認した。さらに、解剖学的リスクを考慮した採血および静脈路確保の方法についてディスカッションした。セミナー後,アンケートを実施した。アンケートでは、「看護技術を実施する上で,解剖実習体を用いたセミナーは必要である」との意見が多かった.その理由としては,「テキストでは理解しにくい立体的構造を,視覚的に,かつ直接触れて正確に把握できる」ことが挙げられた。『臨床看護師を対象とする局所解剖セミナー』は,安全に看護技術を実施する方法を学ぶ上で効果的と考えられる。今後、更なる専門性、多様性が求められる看護教育においてこの解剖学実習のモデルケースとなり得るものと考える。また、看護師養成機関と医師養成機関が密に連携し、新たな教育モデルを作り出す本研究の成果は、チーム医療時代の多職種間教育(inter-professional education)をさらに進めていく上においても、大きな意義を持つものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、看護教育の場における解剖学実習について、フィジカルアセスメントを行う際に必要な解剖学知識の取得を到達目標に掲げた上で、望ましい学修目標、学修内容を明らかにし、総合的解剖学実習モデルを構築することである。今年度は本学病院の臨床看護師を対象とした『局所解剖セミナー』を実施し、その成果を報告した。そのため、順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の第一の目的は、学生、看護修士課程で専門看護師あるいはナースプラクティショナーを目指す修士生、大学院生、看護師、専門看護師、看護教育に携わる教員、医学部の解剖学教員など、多方面からの声を集積し、看護師として必要十分な解剖学的知識とは何か、学修目標を何処に置き、どのような教材を用いて、どのような方法で解剖学実習を行うのが望ましいのかを明らかにすることである。この目的を達成するため、引き続き、局所解剖セミナーを開催し、分析を進めていく。
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Research Products
(2 results)