2015 Fiscal Year Annual Research Report
心拍変動解析を用いた全身麻酔後の安全な早期離床の新たな評価指標の確立
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15H05076
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 良子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10275498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 恵美 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10431595)
丹野 寛大 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10755664)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心拍変動 / 循環動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
術後患者は、可能な限り早期からの離床を行うことの効果が明らかになっている。とくに全身麻酔を受けた術後患者の早期離床を安全に行うには、麻酔からの意識レベルの改善と循環動態の安定が重要な判断指標となる。意識レベルは呼名反応や従名動作により評価することができるが、 循環動態の評価は困難な場合が多く、心拍数や血圧が安定しており意識レベル改善が確認できた 患者に突然の予期せぬ心房細動、徐脈による血圧低下、眩暈、失神など患者にとって不利益な症 状が出現することがある。本研究は、全身麻酔を受けた非心臓手術後患者の全身麻酔薬が術後の自律神経活動に及ぼす影響と離床時の循環動態を明らかにし、安全な早期離床を行う新たな評価 指標を見出すことを目的とする。 平成27年度は、情報収集および測定準備を行い、同時に本研究分野の現状、課題等をタイムリーに把握するため、文献検索、資料収集を行うとともに、 当該分野の国内外の学会、特に周手術期患者の現状が明らかになる学会に参加した。さらに、協力病棟の現状把握を行い、ICU、CCU、救命救急センターなどにおける少なくとも過去1年間の適応患者の手術数、心房細動、不整脈、血圧低下など患者に不利益な症状出現頻度、出現時間、場面など医療記録より収集し現状を把握することを目的とし、協力病棟との打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報収集、協力体制の構築など概ね、予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 27 年度研究成果の公表と修正を行うとともに、学会等の議論を基に必要に応じて測定方法、評価に関する修正を行う。修正した後に適宜、研究計画の見直しを行う。 測定については、今後対象者の状況を見ながら、症例数を追加し研究の信頼性を上げる。最終的に対象患者は統計学的に信頼性のある約 40 名を予定している。 結果分析から、明らかに自律神経活動の回復の悪い患者に対しては、主治医、研究協力者と連携し、離床の時期を配慮できる体制を整え、協力施設内で効果を確認する。結果より、対象者の年齢、性別、既往歴または全身麻酔の使用時間、手術前の自律神経活動レベルなどを評価指標として個別性をアセスメントした離床プログラム案策定に準備まで進めたいと考えている。
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Research Products
(2 results)