2015 Fiscal Year Annual Research Report
経口分子標的治療のがん患者イニシアチブ皮膚障害予防・管理プログラムの実用性
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15H05081
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢ヶ崎 香 慶應義塾大学, 看護医療学部, 准教授 (80459247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 浩子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (60158300)
小山 友里江 慶應義塾大学, 看護医療学部, 准教授 (40521141)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分子標的治療 / 皮膚障害 / セルフマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、分子標的治療薬を受ける患者が主体となり、治療と皮膚障害の重症度とのバランスをとり、安全、最適に治療を継続するための、患者主導型皮膚障害予防・管理プログラムの実用化を試みることである。初年度は、①経口分子標的治療を受ける患者の皮膚障害に関するセルフマネジメントの概念化を目指し、切除不能な進行・再発大腸がん患者が日常生活において皮膚障害の症状とそのケアをどのように認識し、どのように管理しているのか、患者の体験を明らかにすることを目的とした。 研究デザインは質的研究である。研究参加者は15名を予定し、切除不能な進行・再発大腸がん患者で分子標的治療薬を開始し、1クール目を終えた者、および服薬管理、皮膚ケアを自立して行える者とした。データ収集は、半構造化質問紙を用いて個別面接(30-60分)を行う。インタビューでは、「医療者から教育や推奨された皮膚障害に対するケアをどのように行っているのか」「治療に伴う皮膚障害について、日常生活においてどのようなことを考え、どのようにケアをしているのか」などについて尋ねた。 現在までに、研究参加者3名に研究の同意を得て、インタビューを行った。それらの結果、皮膚障害に対するケアは、医師の指示を遵守した「積極的な皮膚ケア」と、医師の指示より少ない頻度や薬剤でケアをする「消極的な皮膚ケア」が示された。皮膚症状が重篤化している場合は「自己判断の難しさ」を抱えて自宅で管理していた。一方、皮膚症状が軽度な場合はケアの必要性を低く見積もり、消極的に行われていることが明らかになった。今後も引き続きデータ収集、分析を重ね、論文化へ進めていく予定である。併せて、次年度予定している量的研究の研究計画の立案を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究に関する研究倫理審査に期間を要したこと、および当初、対象疾患における経口分子治療薬のレジメンを限定してデータ収集を開始したが、該当する対象者が少なく、リクルートに難渋したため、予定より研究の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
経口分子標的治療薬に限定することで対象者数が少数となり、研究の遅れを招いた。本研究は分子標的治療に伴う皮膚障害のセルフマネジメントを明らかにすることが真の目的であるため、経口剤に限定せず、分子標的治療薬を受けている患者へと対象者を拡大することを検討している。現在、対象者のレジメンについて研究倫理審査へ修正を申請している。承認後研究をさらに推進する予定である。
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