2015 Fiscal Year Annual Research Report
がんの子どもの復学支援基盤構築のための復学支援プログラムの開発
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15H05090
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
大見 サキエ 岐阜聖徳学園大学, 看護学部, 教授 (40329826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 洋子 宝塚大学, 看護学部, 教授 (10249344)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 復学支援 / がんの子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に作成したがんの子どもの復学支援に必要となる周囲の子どもの理解促進を図る絵本(A4版全32頁)を活用して、岐阜地区のA小学校の小学3年生2クラス42名を対象とした読み聞かせを実施した。読み聞かせは約10分程度、その後、子どもからの質問タイムを設定し、疑問に回答していった。クラスによっては活発な意見交換となった。さらに読み聞かせの効果を検討するために、絵本の理解やがんの子どもの気持ちの理解の程度を明らかにするために約13項目のアンケート調査を倫理的配慮の下実施した。その結果、子どもたちは、当事者である子どものつらさ、悲しさ、学校への思い、友達の大切等多くの事を理解しており、絵本が当事者の理解促進に効果的であることがわかった。今回は低学年であったが、高学年への活用を視野に入れて読み聞かせガイドを充実する必要があることもわかった。この活動は、岐阜聖徳学園大学看護学部研究誌に投稿し、掲載された。また、10年間、復学支援に関する教員向け研修を実施した安城市での教員の認識を検討するために、安城市の全小学校・中学校の教員を対象とする質問紙調査を実施した。991部配布した結果、744部の回収があり、データ入力を終了し、現在、結果の分析を進めているところである。平成27年8月には、打ち合わせ会議を実施して、研究実施計画、読み聞かせの結果の検討、絵本修正案に対する意見交換を実施した。特に読み聞かせで理解しにくかった個所や疑問が投げかけられた箇所を重点的に、修正意見を収集し、何度も絵本作家との打ち合わせを実施した。最終的に平成28年3月末には、絵本の修正版(第2版)が完成した。表紙の絵は変更したが、タイトルはそのままで、「おかえり!めいちゃん」として、副題「白血病とたたかった子どもが学校にもどるまで」と設定した。日本法政学会で、病弱児の教育支援の重要性をシンポジストとして発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
絵本作成と活用の効果の検討、安城市質問紙調査の実施はおおむね順調に進んでいる。ただ、安城市の研修会は、連携病院の独自の活動内容に組み入れられたため、研究としての介入はできなくなった。また、看護課長が変わり、前年度のような連携は取りにくい状況となった。医療者向け支援ツールの検討は今後行う予定ある。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した絵本の普及および、復学支援促進に努めるために、次年度は日本育療学会の学術集会長を引き受けることとして、現在、企画検討中である。 共同研究者で本学教育学部特別支援教育の教授の協力もあり、岐阜市内の教員向け研修会を企画検討中である。
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Research Products
(4 results)