2015 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者ケア施設の入居者家族へのケアとその効果に関する縦断的研究
Project/Area Number |
15H05092
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
深堀 浩樹 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 准教授 (30381916)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 修一 大妻女子大学, 人間関係学部, 准教授 (20322430)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 高齢者ケア施設 / 家族支援 / 家族看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高齢者ケア施設(特別養護老人ホーム・有料老人ホーム等)に入居している高齢者の家族とケアを行う施設職員を対象とした調査により、①入居者・家族の入居後の状態、②施設職員による入居者家族へのケアや連携、などに関する実証的データを収集することを目的として実施している。平成27年度に予定していた活動として補助金の繰越を行った平成28年度までに実施した研究実績は以下の通りである。 まず、入居者の家族を対象としたインタビューについては、東京都内の特別養護老人ホーム7施設の入居者家族23名を対象にインタビューを23件実施し、特別養護老人ホームの家族介護者が認識するケアへのニーズ(望む支援や感じている問題等)に関するデータが得られた。次に、施設職員を対象としたフォーカスグループインタビューについては東京都内の特別養護老人ホーム7施設の施設職員50名を対象にフォーカス・グループ・インタビューを10件、追加で個別インタビューを4件実施した。介護職・看護職・生活相談員など多職種から構成される施設職員が協働して行っている家族ケア・家族とのコミュニケーションに関するデータが得られた。分析結果の一部を専門職の学生・一般市民を対象としたイベントにて発表した。 今回得られたデータを分析し、入居者の家族のケアへのニーズを明らかにすることで入居者家族へのケアについての示唆が得られることが期待される。また、施設職員が行っている家族ケア・家族へのコミュニケーションを明らかにすることで、施設職員に関する家族ケアに関する教育における活用や家族ケアの質の向上を検討する上での基礎資料とすることが出来る。さらにこれらのデータは、今後本研究で実施する入居者家族を対象とした縦断的質問紙調査の調査内容の検討に活用する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
入居者家族のケアへのニーズ・施設職員の入居者家族へのケアに関する貴重なインタビューデータが得られているものの、計画している入居者家族を対象とした縦断的質問紙調査はまだ準備中であるため、(3)やや遅れていると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
入居者家族のインタビューについてはリクルートを一時中断し、分析を進めた上でインタビューを追加して実施するかを検討する。インタビューを追加する場合には、既に実施した7施設にインタビュー対象者の選定を再度依頼する予定であり円滑なデータ収集が期待される。施設職員へのフォーカスグループインタビューは目標件数に達したため、今後は得られたデータを分析し、結果の公表を目指して活動する。 入居者家族を対象とした縦断的質問紙調査については、現在準備中でありこれから質問紙の開発、研究計画の倫理審査委員会による審査、対象施設への協力依頼・対象者のリクルートを行っていく。協力施設の獲得が困難であることが予測されるためこれまでに研究協力が得られている施設への協力を依頼すると同時に分担・連携研究者、研究協力者の協力を得て依頼を進めていく予定である。
|