2016 Fiscal Year Annual Research Report
「食」を契機とする在宅療養高齢者の生活支援モデルの構築
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15H05098
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
坂下 玲子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (40221999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 かおり 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20300361)
高見 美保 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (50613204)
新居 学 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (80336833)
松下 健二 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 部長 (90253898)
金 外淑 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (90331371)
佐藤 拓一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10303132)
池原 弘展 敦賀市立看護大学, 看護学部, 講師 (90549122)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 在宅看護 / 食支援 / 高齢者 / 栄養状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
センシング技術を用いた咀嚼嚥下機能のモニタリングシステム:平成27年度に検討した内容を踏まえ、咀嚼嚥下運動の鍵を握る舌運動を解明するために顎の複数の筋活動情報を取得し、非侵襲的で簡易な咀嚼嚥下機能を測定する装置を試作した。今後、汎用性をはかるため多数の高齢者を対象に実施予定である。 支援モデル案の試行:平成27年度に実施した先駆的訪問看護ステーションにおける実地調査等を基に作成した食を契機とした生活支援モデル案の試行を行った。パイロットスタディを行い実現可能性を検討した上で本調査を実施した。対象は、摂食が順調ではない在宅療養者とその家族、担当する訪問看護師である。対象とする在宅療養者は終末期ではないが、Harris-Benedictの式(厚生労働省2010)より求めた必要カロリー量の80%が摂れていない在宅療養者、脳血管障害などの疾患は回復傾向にあるのに食事に関心を示さない在宅療養者、認知症などにより食事量が低下している在宅療養者とした。プログラムは研究者ら専門家がチーム(看護師、歯科医師、歯科衛生士、栄養士、理学療法士、言語聴覚療法士)を作り、事前情報に応じて看護師に加え2から3人のメンバーで在宅療養者宅を月1回3カ月間訪問し、プロトコルを踏まえながら対象者らと共にテーラメイドのケア計画を立て介入を実施した。3ヶ月後に介入効果を評価し、介入方法を改善しながらさらに3カ月間介入を行い評価を行った。評価は、1)栄養状態(摂取カロリー量、水分摂取量、BMI)2)意欲(Vaitality Index)、食欲 3) 口腔機能(反復唾液嚥下テスト、舌機能検査等)、歯科疾患、口腔衛生状態、4)全身健康状態・生活状態で評価した。3ヶ月後の評価では、カロリー摂取量や体重が改善し、意欲が向上するなど良好な結果が得られているが、引き続き対象者を増やし継続的なデータを採取する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、センシング技術を用いた咀嚼嚥下機能のモニタリングシステムの装置の試作を行った。また、支援モデル案を作成し、介入を実施し評価することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
センシング技術を用いた咀嚼嚥下機能のモニタリングシステムについては、様々な状態の症例を増やし、汎用性を測る。モデル案については介入事例を増やし、モデルの精錬を測る。結果を専門家らによる討議により検討し、モデルの有効であった点、課題について明確にする。それをふまえ最終のモデル案を提案する。
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Research Products
(10 results)