2016 Fiscal Year Annual Research Report
地域の底力を高める「地域への愛着メソッド」の汎用性開発
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15H05101
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 純子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50295391)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地域への愛着 / メソッド開発 / 健康増進 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、生活の質(QOL)の向上の基盤としてソーシャルキャピタル(SC)の概念が注目され、地域保健対策推進の柱にSCに立脚した健康づくり、健康なまちづくりの展開が盛り込まれた。しかし、その醸成に関する方法論は未確立である。 本研究では、SCの醸成の礎として「地域への愛着」を位置づけ、居住地における日常の住民間の関係性を重視した公衆衛生看護の実践に親和性のある技法(CBPR)を取り入れ、その育成のための方法論の汎用性の開発に取り組む。汎用性の観点から「地域への愛着」を育む方法論を『地域への愛着メソッド』と称し、3つの目標を設定し、4年間で段階的に進める。平成28年度は【目標2】まで進めることができた。 【目標1】地域への愛着メソッドに不可欠な要素(目標設定、運営手法、学習内容等)を抽出する。【目標2】地域への愛着メソッド原案と評価ツール(個人および地域変容の指標と評価方法等)を作成する。【目標3】地域への愛着メソッド実施案を作成し、住民や実践者と共に汎用性を高める。 平成27年度は、平成26年度までの研究成果、「地域への愛着」を育む健康増進プログラムとその介入効果の分析の結果をもとに、愛着形成に有効に作用した要素を検討、抽出した。平成28年度は、CBPRにおける評価と普及に関する最新の知見も取り入れ、評価ツール(個人・地域の変容の指標と評価方法等を組み込む)組み込み、地域への愛着メソッド試案を完成させた。また、次年度から【目標3】に進めるための協働自治体を募るための普及活動を行うため、「地域への愛着研究会」のホームページの開設、および関連雑誌への「地域への愛着を育む取り組み」の寄稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度から【目標3】に進めるために協働自治体を公募したが、ホームページや論文を見て応募してくる自治体がなかったため、研究者間のネットワークを通じて、課題意識を持ち「地域への愛着」を育むニーズがある地区を複数かかえる自治体に直接声をかけた。その結果、協働自治体を得ることができ、平成29年度に共同実践研究事業として取り組むこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降、【目標3】について協働自治体と2年間かけて取り組む。協働自治体(市長)と研究代表者の所属機関(研究科長)との間で、共同実践研究事業の覚書を取り交わし、役割り分担を明確にしながら、研究に参加する住民を募り、保健福祉等の関係者と共に【目標3】を進める。
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Research Products
(2 results)