2015 Fiscal Year Annual Research Report
低体重で出生した多胎児の発育・発達過程と長期予後に関する国際共同研究
Project/Area Number |
15H05105
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
横山 美江 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50197688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 秀一 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00303404)
福田 早苗 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50423885)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 双子 / 多胎児 / 発育 / 国際共同研究 / 出生体重 |
Outline of Annual Research Achievements |
多胎児は未成熟でかつ低体重で出生するため、母親は児の発育や発達の遅れに対して不安を訴えることが非常に多い。しかしながら、多胎児の身体発育・発達過程や長期予後は不明な点が多く、確かな情報は極めて少ない。双子でさえ、出生時の体重差の大きい不均衡ペアの発育・発達に関する研究はほとんどない。根拠ある発育・発達に関する情報の構築と長期予後を評価するためには、大規模な疫学データに基づく遺伝と環境を考慮した客観的な数値が必要であり、国際共同研究が求められている。本研究では、未成熟でかつ低体重で出生する多胎児の身体発育・発達過程を縦断的に調査し、多胎児の発育・発達過程の特徴と長期予後(体格や疾病の罹患等)を国際共同研究から明らかにすることを目的として研究に取り組んでいる。今年度は、国際共同研究の基盤整備として、ツインコホートを有する世界21か国の研究機関のデータを統合し、1つのデータにすべく、データベースの構築をヘルシンキ大学とともに実施した(CODATwins project)。さらに、それらのデータベースを用いて、双子の出生順位による出生後から高齢期における身長および体格への影響を分析した。その結果、双子の第1子は、第2子に比べ青年期まで体格がよく(BMIが大きく)、統計的に出生体重で調整した後も、双子の第1子は双子の第2子に比べ12歳まで有意に体格(BMI)が大きいことが明らかとなった。このほか、双子の卵性による身長や体格差についての分析も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、国際双生児研究による双生児の身長・体格に関する論文を国際誌にすでに3報掲載され、出生順位ならびに卵性による双生児の幼児期から高齢期までの身長・体重への影響について分析を行った。また、国際共同研究を推進するための世界最大規模のデータベースの構築も行った。今後は、そのデータベースを用いて、国際共同研究を実施している共同研究者とともに分析する予定である。以上の理由から、おおむね研究計画が順調に進んでいると判断できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)再度追跡郵送質問紙調査の実施 当研究室の研究協力者に対し、再度追跡郵送質問紙調査を実施する。多胎児の発育・発達についての調査内容は、①保育園・幼稚園における健診結果、就学前健診結果、②小学校における健診結果、③中学校・高等学校における発育記録等である。 2)国際双生児研究のデータベースの分析 双生児研究手法を用いて、双生児の出生後の発育や成人期の体格に、出生体重がどのように影響しているかを解析し、長期予後に関連するデータ(体格等)への遺伝と環境の影響についてMxツインモデルを用いて解析する。
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Research Products
(12 results)