2017 Fiscal Year Annual Research Report
要支援高齢者のケアニーズに対応した地域ケアモデルの構築と効果評価
Project/Area Number |
15H05106
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
河野 あゆみ 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00313255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金谷 志子 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (00336611)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 介護予防 / 虚弱高齢者 / ソーシャルキャピタル / 地域看護 / 地域ケアモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は要支援高齢者のケア・ニーズに対応した地域ケアモデルを構築し,その効果を評価することである。平成29年度は,平成28年度に実施した要支援高齢者756名を対象とした1年後の効果評価調査について,統計分析を進めた。その結果,ベースラインにて調査した対象者1033名に比べ,1年後の調査対象者756名については,「外出が少ない」「趣味,楽しみが少ない」「話をする近所の人がいない」「外出恐怖から外出を控える」など心理社会的問題を抱える者が有意に多くなっていた。また,1年後の調査対象者は,ベースライン調査対象者に比べて「1キロメーター歩行に難儀する」「食欲の低下がある」「1年間に入院体験がある」「急激な体重減少がある」など身体的問題を抱える者が有意に多かった。これらのことから,要支援高齢者のフレイル予防においては,身体面への支援とともに心理社会的問題への支援を強化する地域ケアシステムを構築する必要性が示されたが,これまで行ってきた介入プログラムについては十分な効果あるとはいえないと考えられた。そこで,平成29年度はプログラム内容を見直し,フォトボイス,地理情報システムならびに高齢者へのインタビューを根拠データとする住民参加型地域診断プログラムをある地区で試みた。このプログラムでは,これまでの研究成果を参考しながら,虚弱高齢者の買い物,受診,地域交流をテーマとし,得られたデータをもとにロジックツリーを作成し,地域診断を導く手法を明確にすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年後効果評価調査について分析を行い,見直した介入プログラムを試行的に実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現段階の分析内容から介入効果が十分とはいえなかったため,住民を対象とした調査結果についての追加分析を進め,効果についての評価をさらに深める予定である。また,平成29年度に見直した新たな介入プログラムを他の地区においても引き続き実施し,プログラムの精錬化を図ることを計画している。
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Research Products
(5 results)